笑って 笑って 笑って

君に真っ直ぐ伝えたくて

『ソーホー・シンダーズ』備忘録 2幕


M9『Entr'acte』


♪今夜は行こうシンデレラ
 舞踏会へ
 注目浴びてシンデレラ
 確かめる時だ


ベリンガム卿「ロビー!」


♪そのガラスの靴


ジェイムズ「ロビー?」


♪君に合うのか……



ーーーーーー


(パーティー会場)



M10『Who's That Boy?』


♪彼はどこの誰なの?
 彼はとても素敵ね
 彼は切れ者みたい
 彼と話してみたい
 彼は 誰だ?


ベリンガム卿「ロビー、ちょっと良いかな?」

(逃げ隠れるロビー)


♪彼は訳がありそう
 彼は敵のスパイか?
 彼は一人できたの?
 彼はコネでもあるの?
 彼は 誰だ?


マリリン「ジェイムズ、順調?」

(ジェイムズ、ロビーを探しに駆けていく)

マリリン「何が起きてるの」

ウィリアム「今調べてるところだ」


♪入ってくるのを見たか 我が物顔で
 誇らしい姿 何者なのか?
 彼の輝きに目を奪われ
   ?   
 彼は 誰だ?


(ジェイムズ、ダナにぶつかる)

ジェイムズ「おっと、失礼!」

ダナ「…また私を見た。彼、私に気がある!」

クローダ「彼は私に色目を使ってるのよ!それにしても他の政治家は小物過ぎて、私たちには合わないねぇ」

ダナ「その点、ジェイムズ・プリンスはぴったり!」

クローダ「スタッフドオリーブみたいに?」

ダナ「やっだ、オリーブになりたい!」

ダナクロ「キャハハハ!」


♪彼はおかしな態度


クローダ「あれ、ロビーじゃん!」


♪彼は裏があるはず


ダナ「こんなところで何してんの?」


♪彼は…

 ただの弟
 別にそれだけの事


ウィリアム「君たちここで何してる!警備員を…」

ダナ「ストップ!あんたが知りたい事、あたしたちは知ってる」

(ウィリアムの胸の上で、招待状に連絡先を書くダナ)

ダナ「ここに電話して♡(投げチュー)」


♪退屈極まる政治の世界
 輝く彼こそが救世主
     ?
 皆追いかける
 彼は 誰だ? 教えてよ

 彼は秘密を纏い
 彼は視線を奪う
 彼は 誰だ?


(ロビー、別室に逃げ込む)

ベリンガム卿「ロビー、大丈夫かね?ジェイムズ・プリンスを見た時の様子がおかしかったよ。君があんな驚く顔をするなんて…」

ロビー「何て言うか、ここじゃ自分らしくいられないって言うか。その…帰った方が良いんじゃないかと…」

ベリンガム卿「その必要はないよ!この上に私の部屋があるんだ。そこに泊まっていきなさい」

ロビー「やっぱり帰った方が…」

ベリンガム卿「医師が来てるんだ、見て貰うと良い」

ロビー「俺は帰りたいんだ!」

ベリンガム卿「今夜は私にとって大切な夜だ!!いや、君と私…我々にとって」

ロビー「…我々?」

ベリンガム卿「手紙に書いたはずだよ。君がそのプラダのスーツを着てるという事は承諾したという事だねぇ」

ロビー「…確かに、貴方はそうした。でも、分からないだろ?二人が同じ気持ちかどうかなんて」

(ジェイムズ、二人の密会現場に居合わせる)

ベリンガム卿「…なるほど。だが君は私から1000ポンドを受け取って買い物三昧をした」

ロビー「……でも…」

ベリンガム卿「いいや、ロビー。君は誤解をしているようだ。これまでのプレゼント・ディナー・金・スーツ、何もかも慈善事業じゃないんだぞ。…君は私を何だと思ってるんだ!!」

ロビー「…じゃああんたは俺を何だと思ってるんだよ!!」

ベリンガム卿「何だと思ってるか教えてやる!!」

(ロビーに襲いかかろうとするベリンガム卿を止めに入ろうとするジェイムズ。その場へ駆け付けるウィリアムとマリリン。争った際、ロビーの手からは携帯が落ちる…)

ウィリアム「ベリンガム卿!お邪魔じゃないですよねぇ?」

ジェイムズ「ロビー、何でここにいるんだ。彼(ベリンガム卿)と知り合いなのか!?」

ロビー「……今は説明できないっ!!」

(マリリンの横を通りすぎ、逃げ去ってくロビー)

ジェイムズ「ロビ…!!」

ウィリアム「ジェイムズ!ゲストの相手を。ベリンガム卿、ちょっと宜しいですか?」

ベリンガム卿「勿論だとも」


♪何を隠しているの? 私に
 何が怖いの?
 彼は見たくなかった
 何か突きつける人
 彼は 彼は

 彼はどこの誰なの?
 彼はとても素敵だ
 彼は  ?
 彼は  ?
 彼は 誰だ? 誰だ?


♪~(ロビーの携帯の着信音)



ーーーーーー



♪~(ビッグ・ベンの鐘の音)


(客席を走り抜けるロビー)


サーシャ「ロビーは夜の街を抜け出した。辿り着いたのはライオンの前足の横。そして…」



(ライオンの横に座り込んで息を整えるロビー。そこへジェイムズが駆け付ける)


ジェイムズ「…君はここにいる。そう思ったから」

ロビー「…俺の事、よく分かってるんだねっ」

ジェイムズ「…そうかな。自信が無いよ…。ベリンガム卿の事何で知ってるんだ」

ロビー「……。ねぇジェイムズ…」

ジェイムズ「どうか言ってくれ!僕が思ってるような事じゃないよね…?」

ロビー「……」

ジェイムズ「聞いてるんだロビー!!君には、報告する義務がある」

ロビー「…義務なんかない!でもあの人とは本当に寝ていないよ!嘘だと思うなら…」

ジェイムズ「じゃあ何で彼の事知ってるんだ」

ロビー「俺を気に入ってついていったんだ。友達として、彼に同情したんだよ。本当に純粋にね?でも彼は変わっていて、俺に金や物をくれるようになって。で、今は…それ以上の事を…」

ジェイムズ「なるほど!先々どうなるか考えなかったって訳だ!!どうして話してくれなかったんだ…!!」

ロビー「そっちだってあるだろ!!俺が聞けないでいる…例えば、フィアンセの事とか。こっちだっていろいろあるんだよ!」

ジェイムズ「…でもそれは、僕に話すべき事だ。僕は、市長選に立候補してるんだぞ!くそっ……この事態がどう見えるか分かってんのか!!」

ロビー「どういう意味だよ…!」

ジェイムズ「『経済界の大物、金を払ってゲイの若者とお楽しみ』。あげくは『同伴・接待』と書き立てるだろう。最悪、『レントボーイ』だと…」

ロビー「俺はあの人とヤってない!!」

ジェイムズ「でも金は受け取った。金は受け取ったんだ……!!!
もしマスコミが僕と君を結び付けたら。『市長候補、フィアンセがいるのにレントボーイと浮気』。悲惨すぎて笑えるよ…」

ロビー「…でも俺は、あんたから金を受け取った事はない。俺はあんたの恋人だろ?レントボーイじゃない!!」

(ロビー、ジェイムズの裾を指で摘まむ)

ロビー「俺はあんたに恋をした。だからあの場所にはいられなかった。他の誰かといたくなかったんだ…ねぇ、ジェイムズ…」

(切ない表情をしながら、ロビーの手を振りほどくジェイムズ)

ジェイムズ「……もう無理だよ。…くそっ、僕はなんて事をしたんだ……!!」

(ジェイムズ、走り去って行く)

ロビー「ジェイムズっ…、ジェイムズ!!」


(ロビー、電話をしようとするが、携帯が見つからず)

ロビー「…ないっ!なんで、…なんで無いんだよっ!!!…ジェイムズ、……ジェイムズ……ジェイムズ…っ……」



M11『They Don't Make Glass Slippers』


♪世界に愛される事を
 夢見てきたけど
 愛されるのは一部の
 誰かだけさ

 ガラスの靴は どこにもない
 まして俺に合うサイズは
 運命変える魔女もいない
 俺には全てがおとぎ話

 ガラスの靴は 残酷だ
 夢だけ見せて 砕け散る
 王子様が去るならば
 夢見る前に教えてくれ

 世界に愛される事を
 夢見てきたけど
 愛されるのは一部の
 誰かだけさ

 世界に愛される事を
 夢見てきたけど
 愛されるのは一部の
 誰かだけさ

 ガラスの靴は どこにもない
 まして俺に合うサイズは
 運命変える魔女もいない
 俺には全てがおとぎ話

 全ては悲しいおとぎ話


(ロビー、トラファルガー広場で眠りにつく)



ーーーーーー



サーシャ「翌日の朝。選挙事務所には重たい空気が立ち込めている」



『バンッ!』

(ウィリアムがクリップボードをデスクに叩きつける)


ウィリアム「これは君の資金提供者のリストだ。全員昨日あの場にいた、そして全員から!!説明を求める電話があった。…この事態を修復する前に、君から真実を聞きたい」

ジェイムズ「……」

ウィリアム「…おい、何か言えよ!」

ジェイムズ「…あ、……彼が、昨日何をしていたのか、僕は知らない。ただ、彼はベリンガムの話し相手として雇われていた」

ウィリアム「あの若い男…」

ジェイムズ「名前はロビーだ」

ウィリアム「で、君とも知り合いなんだな?」

ジェイムズ「……4ヶ月、付き合ってる」

ウィリアム「ゲイの若者…つまりレントボーイか!」

マリリン「お願いやめて」

ジェイムズ「彼はそんなんじゃない!!…ただ、ベリンガムは話し相手として金を払っていた。…どうやらセックスはしていないらしい」

ウィリアム「お前はどうなんだ?」

ジェイムズ「セックスをするのに金を払ったかどうかって?ありえない!彼との間に、金のやり取りは一切無い!!」

ウィリアム「へぇぇーそれは良かった!それなら誰も君に興味を持たないよ。さぁ、お偉いさんたちに電話をしようじゃないか、君が聖人君主だってな。………くそったれ…。ハーレルヤーーーー!!!!」

(ウィリアム、ジェイムズの選挙ポスターが貼ってあるキャスターを蹴る)

マリリン「ウィリアムやめて!!!」

ウィリアム「フィアンセがいるに!!秘密の恋人、しかもそれがゲイのレントボーイ!!どっかーーーん!!!大爆発だ、選挙も吹っ飛ぶ!!!……くっそ、くそくそくそっ!!!!」

(その場を立ち去ろうとするマリリン)

ジェイムズ「マリリン!」

マリリン「彼(ウィリアム)の前では話し合いたくない。家で待ってるわ」

(サーシャ、キャスターを直す。そこに貼ってあるポスターを見つめるマリリン)

マリリン「…虚しいわねぇ


…何て事っ!」



M11a『Spin - Reprise』


♪常に誠実に真実を語りたい
 まっすぐな態度で
 政治家の語る言葉が
 地に落ちた今こそ
 それが彼の言葉
 笑うしかない



♪~(ロビーの携帯の着信音)


マリリン「…もう、何なのよっ!!…どうしよう……」

(電話に出るマリリン)

マリリン「…もしもし」

ヴェルクロ「ロビー!!」

マリリン「いえ…でもこれは彼のスマホよ」

ヴェルクロ「貴女は…?」

マリリン「…マリリン・プラット」

ヴェルクロ「私はヴェルクロ!どうしてロビーのスマホを?」

マリリン「彼が落としたのよ!昨夜慌てて出ていったから」

ヴェルクロ「彼は今どこにいるの?」

マリリン「ねぇ…私が知る訳無いでしょ…?」

ヴェルクロ「ロビーにスマホを返しに行ってくれない?」

マリリン「…嫌よこんな薄汚いものっ!私は絶対に返しません!!」



ーーーーーー



ジェイムズ「…僕はどうしたら……」

ウィリアム「俺が教えてやる!まずは家に帰って身綺麗にしろ。君は貧民靴の連中と付き合っただけでなく、ドブの臭いまで体に染み込ませたんだからな!!…午後までにこの話はリークされるだろう。いいか、君からのコメントは絶対出すなよ!」

ジェイムズ「…あぁ……」

ウィリアム「それと謝罪のスピーチを書け、これまで最上級なものをな!この選挙をどれだけ救えるか、やってみようじゃないか!さぁ!」

ジェイムズ「…っ!(コクン)」

(選挙事務所を跡にするジェイムズ)


(ジェイムズのオフィスの椅子に座り、デスクに足を乗っけるウィリアム。クローダとダナに電話を掛ける)


ウィリアム「ウィリアム・ジョージだ。昨日電話番号を教えてくれたろ?ロビーは君たちの腹違いの弟だとか…」

クローダ「その通りだけどーーっ?」

ウィリアム「弟さんはどこに住んでいるか分かるよな?」

クローダ「あぁ…隣のコインランドリーで働いてるよーー」

ウィリアム「オールド・コンプトン・ストリートだな?よし、そのまま聞いてくれ。数時間以内に君たちの家にマスコミが押し寄せてくる。君たちの弟さんの事を猛烈に知りたがってるんだ」

クローダ「それで、あたしたちは何をすれば良いの?」

ウィリアム「弟さんの淫らな生活を語って欲しいんだ、出来るだけ下品でお下劣にね。お手の物だろ?」

クローダ「で、あたしたちに何の得があるって訳?」

ウィリアム「記者たちが君に大金を払う事を保証をするよ。ま、注目されるのを楽しみにしてくれたまえよ」

ダナクロ「注目ぅぅ~~~!!?」


ウィリアム「スクラーーーップ!!!」

サーシャ「はいウィリアム」

ウィリアム「これはチャンスだ……最高のチャンスがきたんだぁっ!!!…車を出せ」

サーシャ「…どちらまで?」

ウィリアム「ベリンガム社だ」



M12『The Tail That Wags The Dog』


♪世間の評判こそ 勝負を決める
 それを操るのは 俺の声だ
 鮮やかに喝采浴びる政治家の
   ?  この俺の
 操り人形だ

 形づくり 仕立てあげて
 座りやすいように玉座を調え
 まるで忠実な犬のようにみせて
 何より大事な骨は俺のものだ

 あいつは理想の候補者だったけど
 傷が深すぎて もう守れない
 心浮き立つ後釜を探せ
     ?    奴を

 形づくり 仕立てあげて
 座りやすいように玉座を調え
 まるで忠実な犬のようにみせて
 何より大事な骨を頂くのさ

 誰もが秘密を隠してるなら
 それを使ってのしあがるだけだ
       ?
 ガラスの靴ピタッと合う足を



(ウィリアムとサーシャ、ベリンガム社へ到着)

ウィリアム「やぁ、ベリンガムさん!貴方が猥褻貴族だったとはねぇー(ベリンガム卿へ握手)」

ベリンガム卿「なんだと!?(手を振り払う)」

ウィリアム「資金集めのパーティーにベリンガム卿とレントボーイ。僕ならベリンガム社、株価下落に賭けます」

ベリンガム卿「何の事だかさっぱり…」

ウィリアム「貴方の可愛いレントボーイのロビーでしたっけー?」

ベリンガム卿「…彼に払ったのはそういう類いのものでは無いんだがね」

ウィリアム「この話は数時間以内にマスコミに漏れます。でも全ては、僕がどのストーリーを語るかに掛かってる!僕のストーリーはこうです。“変態ジェイムズ・プリンスが資金集めのパーティーにゲイの恋人を呼んだ”」

ベリンガム卿「なっ…!?」

ウィリアム「もちろん別のストーリーもあって、そちらを選ぶと何人もの偉大なる取締役が絡んでくる…」

ベリンガム卿「…分かったよ!私が巻き込まれない為にはいくら必要なんだ?」

ウィリアム「そうですねぇ、10万ポンドといったところでしょうか」

ベリンガム卿「何だと!?君は狂ってる!出ていけ!!」

ウィリアム「何も私腹を肥やす為じゃありませんよぉー。次の選挙に必要な資金の為です。…例えば僕のね」

ベリンガム卿「何…?」

ウィリアム「プリンスはもうおしまいだ。僕なら資質もありやり方も知ってる。市民の為の忠実な犬になりますよ。それに、立候補締め切りまであと2日ある」

ベリンガム卿「……私は何をすれば良い」

(ウィリアム、ベリンガム卿へキャッシュカードを渡す)

ウィリアム「こちらの口座に振り込みを。あとは私が全てやります」

ベリンガム卿「いいかウィリアム、失敗は許されないぞ…!絶対に!」

ウィリアム「だーれに言ってるんですかぁー!」


♪下がれ

 形づくり 仕立てあげて
 座りやすいように玉座を調え
 まるで忠実な犬のようにみせて
 何より大事な
       ?
 誰のものだ



ーーーーーー



♪~(ビッグ・ベンの鐘の音)



サーシャ「コインランドリーでは、ヴェルクロは穏やかに仕事をしている。彼女はまだ昨夜の悲劇を知らないからね。ロビーが携帯を落とした、って事以外は」



(マリリンがコインランドリーへ入ってくる)

ヴェルクロ「ごめんなさい、もう閉店にしちゃったの」

マリリン「…ヴェルクロ……、ね?」

ヴェルクロ「…うわ!実物がきたっ…。どうしたの?来ないんじゃ無かったの?」

マリリン「気が変わったのよ!」

ヴェルクロ「ねぇロビーは今どこにいる?大丈夫?」

マリリン「…知らない。私が知ってるのは、彼が私のフィアンセと寝ていたって事だけ」

ヴェルクロ「…それは、何て言うか……私も数日前に知ったんだよね。その時彼に言ったのはね…。…」

マリリン「?」

ヴェルクロ「大丈夫?お水持ってこようか?」

マリリン「(首を横に振る) ヴェルクロって、変わった名前ね」

ヴェルクロ「本当は『ソニア』って言うんだけど、縮れ毛だから皆そう呼ぶのよ!」

マリリン「ソニア…」

(マリリンの手にロビーの携帯がある事に気付くヴェルクロ)

ヴェルクロ「…それ、ロビーの…」

マリリン「…ジェイムズはいい人よ!いつも自分より他人の事ばかり。彼みたいな人、他に知らない。今回の選挙、凄く頑張ってたのよ!私たち二人で」

ヴェルクロ「…彼がゲイだって事、全然知らなかったの?」

マリリン「ずっと前から知ってたわ!少なくともバイセクシャルだって事は。驚くかもしれないけど、私たちはセックスもするし、……していたし。学生時代は男の子に目がいってしまう事、秘密でもなんでも無かった」

ヴェルクロ「…じゃあ、何で一緒にいるようになったの?」

マリリン「私たちは親友だったのよ、ずっと何年間もね。でもある日、彼に結婚を申し込まれたの。その頃彼の水泳選手としてのキャリアは終わろうとしていたし、政治家に挑もうとしてた。都合が良いんだろうと思ったわ、有権者に良い印象を与えるカップルとして。だから申し出を断った」

ヴェルクロ「でも…何で?」

マリリン「…半年ぐらい経って、もう一度申し込まれたの。考える時間もあったから私も考えが変わったし…つまり、38になってしまったって。自分に問いかけたの、『ねぇ、結婚して何か失うものがある?』って」

ヴェルクロ「可哀想に…」

マリリン「哀れまないで!自分がどの森に入り込んだかは分かってるし、私は前を進んでいた」

ヴェルクロ「…彼を変えられる、って思った?」

マリリン「……誰かを…必要としてたのよ、ソニア。私たちはお互いを利用していたんだわ」

ヴェルクロ「でも、恋愛感情は?恋はしなくて良いの?」

マリリン「…良いカップルを演じすぎて、私自身がおとぎ話を信じてしまったのね。…恋してるって気付く前に、彼に恋をしてた。哀れでしょ?」

ヴェルクロ「……あたしは、会った途端にロビーに恋をしたけど、何もないのは分かってたからね!彼は嘘をつけない人だから。でも、あたしとロビーが親友になるのに、ゲイが妨げになる事は無かったよ?あたしたち、兄と妹みたいなの。っていうか、姉と妹かな?実際は。38はまだ年寄りじゃない」

マリリン「!ありがとぉ!(笑)」

ヴェルクロ「峠はまだ越えてない」

マリリン「これ以上年を取ったら、峠道を封鎖させなくちゃね」

ヴェルクロ「聞いて!あたしのママは、あたしを43で産んだの。だから焦る事ないし、まだやり直せる!あんたに必要なのは、…理想の相手を見つける事だよ。都合が良いって思うんじゃなくて、自分を必要としてくれる人を…!」

マリリン「…貴女って肩から下は若いのに、頭は随分賢いのね」

ヴェルクロ「…ここから上(頭)は、考える為。ここから下(体)は、ダンスをする為」

マリリン「そしてここは傷つく為に(胸に手をあてる)」

(マリリンの手の上に自分の手を重ね、寄り添うヴェルクロ)

ヴェルクロ「……そう、傷つく為にある。……でも、…乗り越えられる!」



M13『Let Him Go』


♪貴女が自由になる為
 自由にするのよ 彼を
 愛に背を向ける訳じゃなくて
 彼の親友になるの
 離れた後で彼は知るでしょう
 貴女の愛の深さ

 躊躇う気持ちは捨てて
 自由にしなくちゃ 彼を
 悲しい結末は見えてたはず
 そうよ叶わぬ夢
 想いを込めて 別れる事が
 私の愛の全て

 過去に心を閉ざすより
 未来に目を向けて
 踏み出す時は恐いけど
 ただ光目指して

 彼を 彼を 自由に
 愛に背を向ける訳じゃなくて
 彼の親友になるの
 悲しみ越えて 羽ばたこう今
 愛した日々の 全てをかけ
 彼を 自由に



(ロビー、コインランドリーに駆け足で戻ってくる)

ロビー「クロっ!俺はここを出ていかなきゃならなくなった。本当は電話したかったんだけど…」

マリリン「(携帯を差し出し)落としたんでしょ…?」

ロビー「…!!」

ヴェルクロ「ロビー、この人はね…」

ロビー「……知ってる、マリリン…」

マリリン「……これってちょっと気まずくない?」

ロビー「そうだね…。…俺が言えるのは…とても、残念だよ。こんな結果になると思わなかったんだ。俺が望んでいたのは…」

マリリン「望んでいたのは?」

ロビー「…分からないけど!…でも、彼が…もっと違っていたら…」

マリリン「そうね、もっと厄介な付属品のついてない人だったら良かったんだけど!」

ヴェルクロ「あたしも言ったんだよねー、彼は危ないって!」

ロビー「俺、知らなかったんだ。貴女の事、最初は…。彼が好きになってくれて、俺は舞い上がって…!でも、誰と恋に落ちるかなんて、自分じゃどうにも出来ないだろ…?」

マリリン「…そうね。私貴方を責めるつもりは無いのよ!どこかでこうなる事分かってたつもりだし、知らず知らずのうちに準備をしてたのかもね」

ロビー「誰かを傷つけるつもりは無かったんだ。だから、行くよ……」

(鞄に荷物を詰めるロビー)

ヴェルクロ「どこへ?」

ロビー「マーゲイト。おばさんが住んでるんだ。それに、母さんがそこに骨を撒いて欲しいって」

ヴェルクロ「いつ帰ってくる?」

ロビー「多分これっきりだよ。君の部屋に居続ける訳には行かない。義理の親父が刑務所から出てきたら、ここも何もかも奪われる」

ヴェルクロ「まだ私がいるじゃない!馬鹿ね!!」

ロビー「クロっ!!昨夜あんな事があったんだぞ!?新聞は一斉に書き立てて、俺を悪者にするよ!ここも餌食にされるだけだ」

ヴェルクロ「じゃあ、あたしは…!?」

ロビー「…電話する。何か方法を考えるよ。…マリリン、…話せて良かった。こんな時じゃなければ、もっと良かったんだろうけど…」

マリリン「ありがとう」

ヴェルクロ「…必ず電話ちょうだいね?」

ロビー「するって言ったろ?」

マリリン「これが必要でしょ?(携帯を渡す)」

(ロビーの衣服を整えるヴェルクロ)

ロビー「ありがとう、クロ。愛してるよ。とっても…」

(親友の挨拶を交わし、走り去っていくロビー)


マリリン「想像してた人とはまるで違った」

ヴェルクロ「…信じらんない!なんで遺言を遺さなかったんだろう、いくら頭がボケてたからって…」

マリリン「誰の事?」

ヴェルクロ「ロビーのママ。アルツハイマーだったけど死んじゃって。で、家族が遺産も何もかもぶん取ろうとしてるんだよね。ママはそんな事望んでなかっ…」

マリリン「あの!立ち入るつもりは無いんだけど…私の経験上、死を意識した人が最初にする事は、遺言を書く事よ?」

ヴェルクロ「でも奴らは無いって言った」

マリリン「奴らって?」

ヴェルクロ「知らない…父親の弁護士かな?」

マリリン「ロビーは調べたのかな?そういうの調べるの凄く簡単なの」

ヴェルクロ「マジで?」

マリリン「これ私の名刺。気が変わったら連絡して!……貴女は大丈夫?」

ヴェルクロ「…多分。時間が経てば!」

マリリン「でもきっと貴女なら大丈夫!…ありがとう」

ヴェルクロ「何に?」

マリリン「親切にしてくれて」

ヴェルクロ「何もしてないよ!」

マリリン「沢山してくれたわ!…さようなら、ソニア」

(ヴェルクロとハグし、帰っていくマリリン)



M13a『Wishing For The Normal - Reprise』


♪どうか どうか
 小さな愛に包まれた
 ありふれた暮らしが
 ただただ欲しい



ーーーーーー



サーシャ「選挙事務所では、ジェイムズが明日の朝刊の見出しをチェックしている。“プリンス、レントボーイと寝る”」

ウィリアム「ザ・サン」

サーシャ「“プリンスと売春ボーイ”」

ウィリアム「ザ・ミラー。…下品な見出しだと思わないか?」

サーシャ「あぁーそうだねぇーー!!!“プリンス、実はクイーンだった”」

ウィリアム「デイリースポーツ!いつもよりイカしてるぅ。ボヘミアーン・ラプソディー!」

ジェイムズ「楽しそうだな。どうやら、マスコミは時間を無駄にしなかったらしい」

ウィリアム「君の恋人が何もかもぶちまけたって事だろう。お里が知れるよ。だいたい君は…」

ジェイムズ「僕は何も知らないと言っただろ」

ウィリアム「君はどうなんだ?隠してたよな、フェアじゃないよなぁー!」

ジェイムズ「それで。どうするつもりだ?」

ウィリアム「乗ってる馬が死んだら終わりだ。まだ闘えると思うなら他の本部長を探せよ」

ジェイムズ「分かりやすい男だな!いつもながら…」

ウィリアム「選挙資金の大半が消えたんだぞ!!君は、怪しげな男との逢い引きで墓穴を掘ったんだ!…こういうのもなんだけど、掘るのが好きだな」

ジェイムズ「面白い」

ウィリアム「ベリンガム卿も他の候補者に乗り換えるとか言ってたよ」

ジェイムズ「…誰に」

ウィリアム「それが…俺にどうとか」

ジェイムズ「おい…勘弁してくれよ…!君は、社会に尽くす精神など持ち合わせていないじゃないか!」

ウィリアム「俺が嫌なら、別の候補者に投票すれば良い!」

ジェイムズ「冗談だよな…?…冗談に決まってる!!!」

ウィリアム「いいやジェイムズ!俺は本気だ!!君のスピーチ原稿見たよ。あれはダメだ。俺が書いたやつの方がまし。はいっ(自分の書いた原稿をジェイムズへ放り投げる)」

(呆然と立ち尽くすジェイムズを見つめるサーシャ)

ウィリアム「スクラーーップ?チチチッ(指で呼び寄せる)」

(サーシャ、やるせない気持ちのままウィリアムのもとへ歩いていく)


(ジェイムズ、ロビーへ電話を掛ける)


♪~(ロビーの携帯の着信音)


ロビー「…もしもし」

ジェイムズ「ロビー!?僕だ!今どこにいる!?」

ロビー「……消え去るところだよ」

ジェイムズ「教えてくれ!何故だ、何故新聞記者に話したんだ!」

ロビー「…何だって!?……その質問が全てだな。さよなら、ジェイムズ」

ジェイムズ「ロビー!?ロビ…!(電話が切れる)」


(ジェイムズが振り返ると、そこにはマリリンが)

マリリン「ウィリアムが、貴方はここにいるって」

ジェイムズ「…あいつに、もうおしまいだって言われたよ」

マリリン「選挙?それとも私たち?」

ジェイムズ「…選挙だけど。僕たちの事について話そう!」

マリリン「…一つだけ教えて欲しいの、ジェイムズ。(左手の薬指から指輪を外す) 何が変わったの?」

ジェイムズ「……何も?……出来ると思ったんだ。僕ならやれるって…」



M13b『Remember Us - Reprise』


♪白か黒に決められない
 選挙と違う
 愛が全て 愛があれば
 きっと 上手く出来ると僕は…


マリリン「二人でそう思ったのよ。それを信じたかった」


♪プロポーズしてくれたあの日

 覚えてる

 私は嘘でしょ?って言ったわ

 その後で「Yes」と

 若かった

 愛しい日々
 でも…


マリリン「貴方はついに目を覚ます」

(マリリン、外した婚約指輪を返そうとする。首を横に振るジェイムズ)


♪愛してる


マリリン「(強引に指輪を返し) それは分かってる!でも貴方は愛せないのよ!私を完全には」

ジェイムズ「マリリン頼むよ!僕の人生のパートナーでいて欲しいんだ!」

マリリン「…私は貴方の全てが欲しいのに?」

ジェイムズ「僕はどうすれば…」

マリリン「誠実になるのよ!特に貴方自身に対して。“常に誠実に真実を語りたい”、あの時の言葉を思い出して」



ーーーーーー



サーシャ「ウィリアムの差し金でソーホーにマスコミが押し寄せてきた。ダナとクローダは注目を浴びてご満悦だ。『ダナー!こっち見てー!』、『クローダ、もっとまっすぐカメラ見てー!』………何か腹立つぅぅーーー!!!!」



M14『Fifteen Minutes』


クローダ「…ついに来たんじゃない?あたしたちの時代がーーー!!!!」

ダナ「あしたちのーー!!!……何?」


♪誰かが言ってたわ 誰でも一度
 15分だけ有名になれると
 今がその時ね あたしたちにも
 その15分が今訪れた

 ついにきた15分
 憧れの15分
 二人の時代がきた
 時計の針を見て
 心の準備して
 世界に轟くの この名が

 人生語るよ 少しグロいけど
 面白いかもよわりと
 ようこそ15分
 ここからが始まり
 ついにこの時がきた


ダナクロ「ふぅ~~~~っ!!!」


♪今日からセレブに 注目の的
 あちこち引っ張りだこで 憧れの的
 モデルもやろう ブランドも作ろう
 自伝も書いちゃうよ 暴露本だよ

 夢の15分 掴もう15分
 二人の時代がきた
 メディアに出まくり
 金を儲けまくり
 勝たなきゃ これはゲーム

 どうせヤバい人生
 スキャンダルは怖くない
 第二のスーザン・ボイル目指せ
 
 今日からスタート
 伝説の始まりよ
 最初の15分から

 トランプの15分
 マドンナの15分
 パリス・ヒルトンの15分
 スターバックスの15分
 Facebookの15分
 オースティン・マホーンの15分
 レディー・ガガの15分
 ピコ太郎の15分

 とにかく流行ったやつの!15分

 どうよ15分 ついに15分
 二人の15分がきた
 もう悪い事もしない
 時間を無駄にしない
 ダイエットだってやる
 誓うよ

 運命の扉が開く時が今
 ついに目の前にきた

 このまま15分
 ライトを浴びさせて
 ついに15分がきた

 そして15分は終わった


クローダ「さ、Tバッグを洗わなきゃ」

(洗濯機へTバッグを放り投げるダナクロ)



ーーーーーー


(ジェイムズの記者会見)



ジェイムズ「皆さん。今日私は、次期ロンドン市長選の立候補を取り下げます。私はある点において、市長に求められる職責に満たない行動をしたからです。
私の裏切りは、……裏切りは…、……裏切り?」

ウィリアム「続けろジェイムズ!続けるんだ!」

ジェイムズ「…ハハッ、笑える。…僕は、この撤退宣言を自分で書いてさえいない。選挙運動はいつもそうでした。求められてるのは僕じゃない。有権者の皆さんが与えられてるのはイメージです。メディアが作り上げた…ただのイメージ!!」

(原稿を投げ捨てるジェイムズ。それを拾うウィリアム)

ジェイムズ「水泳選手の頃は簡単でした。僕と水だけ。勝つ為に努力する。その単純さが好きだった。選挙もそうだと思った。精一杯やろう!自分が投票したい人物でいよう。それが伝わると思ってた。うぶだったぁ…。僕は水が恋しい…。

皆さん、明日の新聞は、僕がある男と浮気したと書き立てるでしょう。でも、それは彼らの主張するようなものではない!でも、それでも!…許されないのでしょう?

…この場を去る前に、これだけは言いたい、感謝を伝えたいのです」

(ウィリアム、ジェイムズを止めようと動き出す)

ジェイムズ「僕を支え、今日こんな状況においてさえ、自分らしくと背中を押してくれた……マリリン」

(ウィリアム、引き下がって上手袖へ捌けていく)

ジェイムズ「こんな謝罪、何の役にもたたないけど…、…君がいなければ僕は…!」


『パシャパシャッ!』


ジェイムズ「そして、僕の愛したロ…」


『パシャパシャッ!』


ジェイムズ「…ロンドンは。僕の愛したロンドンは、世界一偉大な都市になると思う。それに相応しい市長が選ばれる事を、願っています」

(ジェイムズ、降壇)



ウィリアム「…今のは何の真似だ!!」

ジェイムズ「…僕は君に気に入られようとも思っていない。これが僕さ」

ウィリアム「ハッ…哀れだな」

ジェイムズ「哀れなのはどっちだ?人形をなくした、人形つかいの方じゃないのか?君はそういう奴だ。ずっとそうだった」

ウィリアム「君は負け犬だ。ずっとそう思っていた」

ジェイムズ「おかしいなぁ。僕は今、初めて自分は勝ったと思っている」

(ウィリアム、早足でその場を立ち去る)

ウィリアム「スクラァーーップ!!!」

(サーシャ、ジェイムズの前に立ち握手を求める。応えるジェイムズ)

サーシャ「(ペコッ)」

(立ち去るサーシャ)


マリリン「これまでで最高のスピーチだったわ!」

ジェイムズ「そう思う?ねぇマリリン…」

マリリン「分かってる!でも私たちは変わらない」

ジェイムズ「じゃあどうしろって?」



M15『Finale』


♪過去に心を閉ざすより
 未来に目を向けて
 踏み出す時は恐いけど
 ただ光目指して


ジェイムズ「しばらくどこか遠くに行かないとな。マスコミはまだロビーの話しか聞いてないし」

マリリン「ロビーの話じゃないわ、あれはウィリアムがばらまいた話だと思う」

ジェイムズ「そんなっ、じゃあロビーは…」

マリリン「ずっとマスコミから逃げてるわ。彼は何も話してないもの」

(後悔するジェイムズ)

マリリン「“ロンドン・ブリッジ駅”から出る列車に乗るはずよぉー?」

(ジェイムズ、マリリンに感謝しながら走っていく)

マリリン「頑張ってね!ジェイムズ!」



ーーーーーー



(ロンドン・ブリッジ駅のホームで列車を待つロビー)



サーシャ「(キャラメルの箱を口にあてて駅アナウンスの声で)えぇーー、14:18発ロンドン行き列車、まもなく発車しまーーす。(以下到着駅案内)マーデン…」



♪普通になりたいだけ
 何故手が届かない
 欲張りなの? 高望み?
 何がダメなの?


サーシャ「(駅アナウンス)お客様へお願いします、駆け込み乗車は大変危険です!お止め下さーい!!」


(悲しげに去ろうとするロビー)


ジェイムズ「ロビー!」


ロビー「…ジェイムズ?」



♪おかしいよね こんな場所で
 ようやく愛を見つけるなんて


ロビー「…これってマジ?本当にこれが君の望み!?」

ジェイムズ「(コクン)」


♪二人はまるでストレンジャー
 見知らぬ恋人だ


(抱き合う二人。ロビーがジェイムズのフードを手に取り、フードの中でキス)



ロビー「…でも、俺の為に何もかも諦めるなんて…」

ジェイムズ「違うよ?全部自分の為さ!普通でいたいんだ」


♪手を繋いで 映画見て
 たまに割り勘で 食事して
 欲張りかな? 高望み?


ロビー「そうは思わない!!」

(ロビー、ジェイムズに飛び付き一回転)


ヴェルクロ「ロビィーー!!ロビーー!!!待ってー!!」

(サイドサドルの自転車に乗って駅へやって来たヴェルクロ)

ロビー「クロ!?何でここに…」

ヴェルクロ「マリリンに会ってきたの」

ジェイムズ「マリリン!?」

ヴェルクロ「そう、貴方のよく知ってる」

ロビー「それで?」

ヴェルクロ「あ。誰でも簡単に遺言書を検索できるサイトを教えて貰ったの」

ロビー「遺言は無いんだよ?」

ヴェルクロ「無いって言われただけでしょ?」

(ロビーの母親の遺言書を差し出すヴェルクロ)

ヴェルクロ「あんたは単独の、たった一人の相続人だったの。全部あんたのものだったんだよ!」

ロビー「あぁーーっ!なんて事だ!!」

(鞄から母親の遺灰の缶を取り出すロビー)

ロビー「ありがとう、母さん。俺を救ってくれた…!!」


ジェイムズ「…信じられない」

ヴェルクロ「だからこれが本当なんだってば!」

ジェイムズ「いや、あれの事さ…見てごらん!」



サーシャ「それは駅のスクリーンに流れたニュース速報。『ウィリアム・ジョージ、助手のサーシャ・ラーキンにパワハラを訴えられ、立候補を断念』!」



ジェイムズ「よくやったぞー、サーシャ!! あ、そろそろ時間だ」

ヴェルクロ「そういえば彼がどこに遺灰を撒くか聞いた?」

ジェイムズ「いや?」

ロビー「マーゲイト海浜公園だよ。おふくろが好きだった場所なんだ。それが何か?」

ヴェルクロ「別に?ただジェットコースターのてっぺんから撒くのはやめた方が良いと思うよー?」


♪どうか どうか
 小さな愛に包まれた
 ありふれた暮らしが
 ただただ欲しい


(親友の挨拶を交わすロビクロ。ヴェルクロはベンチに立ち、全力で手を振って見送る。すると一人の男性とぶつかる)


ヴェルクロ&男性「うわぁっ!!ごめんなさい!!いえ、こちらこそ!!」

男性「変な事聞くけど…君、金魚に詳しい?ほら、そこの遊園地でゲットしたんだ!ジャムの瓶にピンポン玉を入れるやつ!」

ヴェルクロ「あ、いえ、私は…」

(去っていく男性)


♪そして金魚を飼いたい…


ヴェルクロ「待ってーーー!!!!」

(男性を追いかけるヴェルクロ)



(上手袖に出てくるロビーとジェイムズ。遺灰の缶へ共に投げチューし、そのまま遺灰をばらまく。そしてジェイムズからキス)



(サーシャがタップしながら歩いていく。そこへ出会すサイドサドル)


サーシャ&サイドサドル「うわぁぉぉっ!!!」

(自分の自転車へ乗るよう促すサイドサドル。サーシャ、自転車へ乗る)


サイドサドル「サーシャ……?Goーーーーー!!!!」

サーシャ「Goーーーーー!!!!」



ーーーーーー



M16『Bows』


♪躊躇ってないで行きな
 特製の馬車が待つ

 今夜は行こうシンデレラ
 舞踏会へ
 楽しんできなよシンデレラ
 送り届けるよ

 かぼちゃの馬車は出せないけれど
 料金半額じゃ まぁこんなとこさ

 今夜は行こうシンデレラ
 舞踏会
 胸張って行こうシンデレラ
 確かめる時だ そのガラスの靴
 君に合うのかを



                ーfinー

『ソーホー・シンダーズ』備忘録 1幕

(サーシャのタップ)



ーーーーーー


サーシャ「ソーホーのオールド・コンプトン・ストリートは、ごちゃ混ぜのごった煮。何でも受け入れる、まさに怪しげなストリートだ。とある春の日の午後19時。劇場に向かう人と売春婦がすれ違い、呑みに行く若者と仕事帰りのビジネスマンがぶつかり合う。

そんな時間、『ヴェルクロ』はシングルマザー。職場のコインランドリーへ向かっている」



M1『Old Compton Street』


♪覚悟決めて、さぁおいで
 目眩く世界の幕が上がる

 猥雑でめちゃくちゃ
 でも綺麗で何故か愛しい
 パッションが胸を満たす場所
 Old Compton Street

 パンクロッカーもエリートも
 入り乱れて 飲んで食べて騒ぐの

 出合いも自由自在
 男と男でも リッチな紳士と遊んでも
 何でもあり Old Compton Street



サーシャ「高級レストランから出てきたのは、ヴェルクロの親友『ロビー』」



ロビー「ご馳走さま!」

ベリンガム卿「本当に飲みに行かないのかい?」

ロビー「仕事があるから」

ベリンガム卿「洗濯物は待ってくれるよ?」

ロビー「でも家賃は待ってくれないし…」

ベリンガム卿「それなら…」

ロビー「ダメだよ!ディナーをご馳走になったばかりなのに…」

ベリンガム卿「出してあげたいんだよ!(ロビーのポケットへ札束をねじ込む)」

ロビー「…ありがとう」

ベリンガム卿「次はいつ会える?」

ロビー「電話して?」

(ロビーとベリンガム卿、ハグ)

ベリンガム卿「ハッハッハ!…ロビー、んんーまっ!♡」


♪夢と愛と 金とエゴが
 剥き出しで溶け合う
 欲望のるつぼだ

 極上の味わいだ
 腐ってるか 食べなきゃ分かりゃしない



サーシャ「コインランドリーの2階に住んでるのは、双子の姉妹『ダナ』と『クローダ』。顔は似てないんだけど、性格はそっくりだ」



ダナクロ「ヘーーイ!!(ロビーの荷物を投げ付ける)」

ロビー「あっ!おいおい、何してんだよ!全部俺のだぞ!」

ダナ「部屋の鍵は付け換えたから」

クローダ「あんたは立ち退きな!」

ロビー「あ、おい!…母さんはどこだ?」

ダナ「はい、母さんがいくよ?」

ロビー「おい、やめろ!!…俺たち異母兄弟なのに、こんな仕打ちあるかよ…!」

クローダ「あるんだよ!この部屋も消毒しなくちゃね、ゲイが伝染らないように!」

ダナ「パパが刑務所から帰ってきたらコインランドリーも取り返すから」

クローダ「それまで家賃をきっちり払いな」

ダナ「値上げもするよ!」

ロビー「コインランドリーは母さんのものだったんだぞ!」

クローダ「でも今は違う。何故なら愚かなママが遺言を遺さなかったから」

ダナ「いくよ!」

ロビー「あ、おい!」

(ダナ、ロビーの母親の遺灰が入った缶を投げる)


♪好きなものを食べなよ(?)
 ゲイとバイかノンケ
 もちろん これから目覚めるやつも
 皆いるよ Old Compton Street



サーシャ「プリンス・エドワード・シアター周辺が何やら騒がしい。ロンドン市長選候補者の『ジェイムズ・プリンス』と、そのフィアンセ『マリリン・プラット』が到着したからだ」



ダナクロ「わぁーお」


ウィリアム「よし、時間ぴったりだ」

サーシャ「…Big Issue、…Big Issue(小声)」

ウィリアム「もっと目立つ場所で!!」

サーシャ「いって!!…Big Issue!!Big Issue!!」

ジェイムズ「参ったな、小銭がない。5ポンド紙幣ならある」


『パシャッ!』


ウィリアム「これで良し!」


♪有名人が大好き 写真撮らせて
 何で有名なのかは興味ないけど
 レッドカーペット見たら血が騒いで
 野次馬になるのさ 皆そうでしょ?

 掃き溜めか天国か
 誰でも受け入れる そんな場所さ

 大都会に一つはある
 恥知らずなカオス 無法地帯
 怪しく優しい場所

 飛び込めよ Old Compton Street
 押し寄せるリズムの洪水
 溶けて弾けて
 眩しさも 愚かさも
 全てある old compton street



ーーーーーー



サーシャ「ヴェルクロが、コインランドリー『シット&スピン』で働いている。お喋りの相手は、人力車、ならぬ自転車力車屋の店主。皆親しみを込めて、『サイドサドル』と呼んでいる」



ヴェルクロ「あーー!この服すっごく可愛い!!ベッキーが着てたの、つい昨日の事みたい!」

サイドサドル「可愛いけど高いんだよねー!子どもってすぐ大きくなるし。あ、そう言えば洗濯代いくら貯まってる?」

ヴェルクロ「8ポンド50!」

サイドサドル「全部払うとすっからかんになっちまう…残りはまた今度で良い?」

ロビー「いらないよ。あんたは半額だ」

サイドサドル「ロビーーーロビロビロビー!!!恩に着るよ!」

ロビー「うん!」

サイドサドル「そういえば、フリス・ストリートはもう通れるかな?来る時に封鎖されてて」

ヴェルクロ「あー!ジェイムズ・プリンスね!市長の!」

ロビー「まだ市長じゃないだろ。…あ。実は俺!彼が水泳選手だった頃、ベッドの横にポスターを貼ってたんだぜ!」

サイドサドル「目が覚めるとすぐ隣にいるって事ね。最高!じゃあまたね」

ロビクロ「またねー」


ヴェルクロ「…ねぇ、それ何事?」

ロビー「奴らに追い出された」

ヴェルクロ「はぁ?」

ロビー「ねぇ、クロ…しばらくクロの家に泊めて貰えないかな?」

ヴェルクロ「勿論良いよ!ベッキーあんたの事大好きだし」

ロビー「ありがとう!…奴ら、ここの家賃も値上げしやがった」

ヴェルクロ「はぁ!?ここはあんたのママの店だったのに!あたしらが切り盛りしてなかったらとっくに潰れてたよ!ママもあんたに遺したつもりだったのに…」

ロビー「でも弁護士は遺言書は無いと言った。義理の親父が刑務所から出てきたら、ここも奪い取るつもりらしい」

ヴェルクロ「まぁ素晴らしい。それで、私らはどうするの?」

ロビー「クロはステンツに戻れば良いだろ?」

ヴェルクロ「冗談でしょ!?」

ロビー「何もソーホーにいなくたって」

ヴェルクロ「そりゃあここは世界一汚い場所だよ?持ち込まれるシーツは体液だらけ。絞れば体外受精のクリニックが開業出来そう」

ロビー「母さんはそれを全部知りながら、ここに店を開いたんだ」

ヴェルクロ「あんたのママが恋しい。最初は全然覚えてもらえなくて参ったけど、最後は違った」

ロビー「母さんは天使だった!」

ヴェルクロ「はーー、救いの神が現れないかなぁーー」


ロビー「…あ。(ポケットから札束が出てくる)」

ヴェルクロ「ちょ、何それー!!あんたまだ例の男と付き合ってるの?」

ロビー「そうでもあるし、そうでも無い」

ヴェルクロ「どっちよ」

ロビー「複雑なんだよ!」

ヴェルクロ「でもお金持ちには変わり無いんだね…その人に兄弟いない!?ゲイ以外の」

ロビー「クロっ!ヤケになるなよ!いつか運命の人が現れるから。俺がストレートだったら、すぐにでもクロと付き合うのになー」

ヴェルクロ「無理な事言わないでー。でもそんなに難しい事?私はただ落ち着きたいだけ!」

ロビー「俺も。ただ毎朝同じ男の隣で目覚めたいだけなんだ。この先30年間ずっとね!」



M2『Wishing For The Normal』


ロビー「君はそれで良いって言ってくれる人」

ヴェルクロ「私にとって特別で、ベッキーにとって良いパパなら、それだけで良いの!」


♪同じ目覚ましで起きて 向い合わせで
 シリアル食べながらお喋りするの
 寝癖のままスッピンでも
 平気なんだ 彼の前なら

 一つ屋根の下で共に暮らして
 たまには手を繋ぎ踊りにも行く
 部屋には多分猫もいる
 それが俺の夢の全て

 普通になりたいだけ
 難しくないはず
 小さな愛に包まれた
 ありふれた暮らしが欲しいだけ

 普通になりたいだけ
 何故手が届かない
 欲張りなの? 高望み?
 何がダメなの?


♪~(ロビーの携帯の着信音)


ヴェルクロ「彼?ねー兄弟がいるか聞いて!ロビー、兄弟…」

ロビー「シーッ!…あ、いや君に言ったんじゃなくて。今仕事中だから。…うん……もちろん!…嬉しいよ!いつもの時間だね?ライオンの横で♡」

ヴェルクロ「ライオンの横!?その人動物園の飼育係か何か?」

ロビー「いいから」

ヴェルクロ「飼育係が大金を稼ぐなんて知らなかったー!」

ロビー「その時が来たら紹介するから!」

ヴェルクロ「その時って?餌やりタイム!」

ロビー「クロ!今はほっといてくれ!」

ヴェルクロ「…本当にその人の事が好きなんだね(ロビーの髪の毛をわしゃわしゃ)」

ロビー「うん…本当に好きだ!でもいろいろ複雑なんだよ」

ヴェルクロ「じゃあ手短にお願ーい」

ロビー「つまり、会うのが難しい相手なんだ。めちゃくちゃ忙しくて、いつもメールかスカイプ。だから、直接会える時は、俺はもっと…」


♪レシピ見ながら二人 料理をしたり
 安いソファーで赤ちゃん寝かし付けたり
 無理しないで愛し合い
 自分を好きでいられる日々を

 庭の手入れして
 家事を手分けして
 朝食はベッドで
 コーヒーカップはセットで
 学校の送り迎え
 ワインを買う
 金魚を飼う

 どうか どうか
 小さな愛に包まれた
 ありふれた暮らしが
 ただただ欲しい

 普通になりたいだけ
 何故手が届かない

 手を繋いで映画見て
 たまに割り勘で食事して
 欲張りなの? 高望み?
 何がダメなの?

 小さな家を建てて
 薔薇の花育てて
 安い車を買って
 そして金魚を飼いたい


ロビー「金魚?」

ヴェルクロ「そう!遊園地でゲットした事あるの!ピンポン玉をジャムの瓶に入れるゲームで!」

ロビー「なるほど…飼えると良いね」



ーーーーーー



サーシャ「ジェイムズの選挙事務所。ここを取り仕切るのは、狂った暴君のような選挙本部長、『ウィリアム・ジョージ』」



ウィリアム「悪くないねぇー、5ページの記事。見出しは“王子と乞食”。この記者、先週は玉をちょん切るぞって脅してやったけど、今週は一緒に新居のカーテンを選んでる気分だ」

ジェイムズ「この記事、ちょっと傲慢に見えないか?…あれ?君は!Big Issueの売り子!!」

ウィリアム「新しいスタッフの『スクラップ』だ」

ジェイムズ「スクラップ?」

サーシャ「サーシャです!彼はスクラップと呼んでますが…」

ウィリアム「フルネームなら、『スクラップ・ポンコツマン』!つまり役立たず」

サーシャ「いてっ!!」

マリリン「笑えない」

ジェイムズ「ウィリアム、こういうのは…」

ウィリアム「見ろよ。ホームレスに手を差し伸べてる姿。大事なのはこっちだろ?」

ジェイムズ「5ポンド返せ」

ウィリアム「スクラップ返してやれ」

(5ポンド返そうとするサーシャに、遠慮するジェイムズ)

ウィリアム「俺にも仕事をさせてくれよ。これからはどんどん仕事を提供しないとな。スクラップ、スケジュールを!」

サーシャ「ウィリアム、どうかやめて下さい。僕はサーシャです!…えー、午前9時、モーニングショー出演。12時、ロンドン消防署を訪問…」

ウィリアム「良いねぇーー!!ヒーローと一緒ならジェイムズもタフガイに見えるだろ?」

ジェイムズ「(腕をトントン)」

ウィリアム「おぉっと、消防署にはポールがあるな。マリリン、君はポールダンスの練習でもしとくと良い」

マリリン「…女嫌いの差別主義者、おまけに独裁者。あなた少し休んだ方が良いわよ!」

ウィリアム「スクラップはどうする?いっそ永遠に休むかぁ?焼却炉で!」

サーシャ「アハハハッ!!」

マリリン「私は弁護士よ?法廷に持ち込んでも良いのよ」

サーシャ「僕なら大丈夫です…」

マリリン「裁判所に行かなくちゃ、また後でね」

ウィリアム「ポールダンスの事考えといてくれよ。君の写真は大幅な修正が必要だろうけど!」

ジェイムズ「ウィリアム、5ページの記事は素晴らしいよ。でも一緒に写ってるホームレスが、同じ事務所のスタッフだと知れたら…僕はインチキはしたくない」

ウィリアム「やっているのは君じゃない、俺だ。俺の仕事は君をロンドン市長にする事だ。分かるだろ?」

ジェイムズ「僕がどう選挙をしたいかは、選挙ポスターのスローガンが語っている。“誠実に”と」



M3『Spin』


ウィリアム「ジェイムズ」

ジェイムズ「一日話そう」


♪常に誠実に 真実を語りたい
 真っ直ぐな態度で
 政治家の語る言葉が
 地に落ちた今こそ
 信頼を勝ち取り 勝利を掴む
 僕は自分のやり方で


ウィリアム「誰だって自分のやり方でやりたいさ」


♪嘘やいかさまで何を得られるのか
 誠実になりたい 市民の代表が
 もしも汚い詐欺師なら
 この街は終わりだ 約束しよう
 民衆の為の政治を


ウィリアム「ジェイムズ!」


♪勝つか負けか つまりそれが全て


ジェイムズ「ウィリアム」


♪お前の船 お前が漕げよ
 でも忘れるな 舵取りは俺だ
 勝利こそがゴールだ

 Spin 目が回りそう 我を忘れて動け
 Spin 回り続けろ 勝利の日まで


サーシャ「ジェイムズは、仕事をこなす為に回る回る~!」


♪常に誠実に 見て見ぬフリはしない
 善心あるのみだ 政治は
 腐敗まみれだと諦めているなら
 それを変えてみせる まずは勝たせて
 決して裏切らないから

 勝つか負けかつまりそれが全て
 クリーンなイメージで メディアに出ろ
  ? の中で舌を出しながら
 票を稼げ ひたすら

 Spin 回れ回れ 正しい姿見せろ
 Spin 上手く回せば その手に勝利を



サーシャ「ウィリアムに電話が入る。経済界の重鎮、『ベリンガム卿』だ」



ベリンガム卿「ウィリアム、今度の資金集めのパーティーだが。その場で金を搾り取るんじゃなく、この先搾り取れそうな連中を集めるんだ」

ウィリアム「つまり…」

ベリンガム卿「つまり、君と私とでは意見が違うと言う事だ。私の金だ、私の招待客リストでいく。分かったな?」

ウィリアム「分かりました」

ベリンガム卿「立候補締め切り間近の大事な時だ。今回の招待客が、結果を大きく左右するんだからな」


♪Spin Spin Spin Spin Spin

 Spin 目が回りそう 我を忘れて動け
 Spin 回り続けろ 勝利の日まで
 正しい私 ?
 選挙を捉えろ


ウィリアム「ジェイムズ!」

ジェイムズ「お疲れ様です」

♪勝利の日まぁ~ぁ~ぁ~ぁ~~

ウィリアム「♪ぁぁ……(かすっかす)」

ジェイムズ「♪ぁあーー」

ウィリアム「さすがジェイムズ!」

♪でぇ~~、ぇえ~~~~!!

 Spin Spin Spin!


ジェイムズ「お疲れ様でしたー」

ウィリアム「ジェイムズ!選挙は9時17時の仕事じゃないんだぞ。これから撮影をしなければならない」

ジェイムズ「マジで!?…分かったよ、少し時間をくれ……一人にしてくれないか!?」

ウィリアム「分かったよ」



ウィリアム「もしもし、僕だ。申し訳ない、遅くなりそうだ。OKのメールだけちょうだい、OK?…OKばっか言わせてるな。とにかく、連絡待ってる!」



ーーーーーー



サーシャ「夜の21時。人がまばらなトラファルガー広場では、ネルソン提督と4頭のライオンが誇らしげに散歩道を守っている。そしてロビーは、“ライオンの前足の横”で、一人…」



M4『Gypsies Of The Ether』


♪おかしいよね こんな会話
 空間に想い 投げ合って
 秘密のメール キーボードをスワイプ
 ディスプレイの中で彷徨うジプシー
 心の内側の 本当の想い
 目と目で語る事は 夢より遠い夢

 二人はまるでストレンジャー
 見知らぬ恋人だ
 遠く愛は空で 抱き合っている

 誰の目も気にしないで
 空間で愛を 語り合う
 誰の事も傷付けずに
 ありのままの自分でいられる
 表の顔の裏の 本当の姿
 束の間見せられる
 自由になれるけど

 二人はまるでストレンジャー
 見知らぬ恋人だ
 遠く愛は空で
 抱き合っている

 二人はまるでストレンジャー
 見知らぬ恋人だ
 遠く愛は空で
 抱き合って
 抱き合って
 抱き合っている

 おかしいよね 二人愛を
 彷徨うジプシー



ジェイムズ「ロビーに会えない一週間は、まるで永遠のようだよ」

ロビー「政治家の一週間は長いからね。それで、どれぐらいいられるの?」

ジェイムズ「今?」

ロビー「いや。君の・人生・で!♡」

ジェイムズ「人生?僕の…?」

ロビー「アハハッ!なんてね、もちろん今だよ」

ジェイムズ「ごめんね、ちょっとでも会いたくて」

ロビー「そりゃそうだよね、あんたは市長選とベッドインしなきゃならない。俺はただ、ハグしたかっただけだよ!」

ジェイムズ「ハグ!」

(ジェイムズへ飛び込むロビー)

ロビー「ピーターパンにウェンディがやるやつ!」

ジェイムズ「あれはさ、“ゲイ”!術的に可愛いよね!」

ロビー「アハハッ!その言葉嫌いなのかと思ってた!」

ジェイムズ「僕が嫌いなのは人にレッテルを張る事だ」


♪~(ロビーの携帯が鳴る)


ジェイムズ「誰?」

ロビー「友達だよ」

ジェイムズ「出なくて良い!やだやだ!」

ロビー「待て!待てよ?(電話に出る) もしもし?クロか、今手が離せないんだ……またかぁ…」

(ジェイムズ、ロビーに♡乱舞の画面を見せ付ける)

ロビー「分かった、後で何とかするよ…(電話を切る) ごめんね、仕事の事だよ」

ジェイムズ「上手くいってないの?」

ロビー「うん、あんまり。また洗濯機が故障したって。出費がかさむよ…」

ジェイムズ「いつでも力になるから!」

ロビー「ジェイムズから金は貰いたくない!」

ジェイムズ「あ、僕はただ…」

ロビー「(ジェイムズの手を取り)もうよそう?」

ジェイムズ「うん」


♪~(ジェイムズの携帯が鳴る)


ロビー「…誰?」

ジェイムズ「…仕事だよ」

ロビー「出なくて良い。やだやだ!出ないで!無理!」

ジェイムズ「待てよー?待て!(電話に出る) もしもし?あぁ君か」

(ロビー、手でハートを作ってジェイムズにアピール)

ジェイムズ「あ、あぁ考え事をしていて。…え、中華?分かった、僕が買って帰るよ。30分後ぐらいに(電話を切る) …ロビー、…」

(ジェイムズの胸に寄り添うロビー)

ロビー「行かなくちゃ行けないんだろ?」

ジェイムズ「また」

ロビー「また。行けよ…」

(去るジェイムズの裾を握るロビー)


♪二人はまるでストレンジャー
 見知らぬ恋人だ
 遠く愛は空で
 抱き合って
 抱き合って
 抱き合っている



ーーーーーー



サーシャ「ダナとクローダが“グラムアムール”の店内にいる。ここは二人が経営するストリップクラブで、ロビーのコインランドリーの隣にある。二人は夜通し楽しんで帰ってきて、その…僕に言わせれば、迷惑をはき散らして、この店の下品な照明の下で、その…僕に言わせれば、はた迷惑な醜さを見せ付けている!」



クローダ「何か聞こえたー?」

ダナ「何かって?」

クローダ「声っ」

ダナ「声ー?」

クローダ「気取ってるけど貧乏くさい声。多分変態だねぇー」

サーシャ「悪いけど大金持ちであっちも強いよー」

ダナ「どうでも良いし!それより昨日どうだった?彼の喉ちんこに食らい付いてるの見たけどっ」

クローダ「あぁ…彼は既婚者だった」

ダナ「くーーそーーがーーっ」

クローダ「同情を誘ってきたんだよぅ!奥さんが車椅子生活で、ずっとヤってないって!で、今日は女房が留守だからとか言って家に行った訳。ところが行って5分もしないうちに車が止まる音がして、『女房だー!!』とかあいつが叫んで!そしたら玄関から聞こえたんだよ…車椅子の音じゃなくて、足音が!」

ダナ「信じらんなーーい」

クローダ「で、次の瞬間あたしは勝手口から追い出されたって訳…」

ダナ「…あんたボーリングの玉みたいね」

クローダ「ボーリングの玉?」

ダナ「つまみ上げられて指を突っ込まれて、レーンの奥に投げ出されたんでしょ…?」

クローダ「……はぁっっ!!!」



M5『I'm So Over Men』


クローダ「私はこの手のゲームには年を取りすぎた…失望しすぎた……」


♪ニコチンパッチ みたいなやつが
 あれば良いのに
 男への欲望を消してくれるパッチが
 運命を感じた人 全てが勘違い
 皆ヤりたいだけ ただの獣
 行きずりの男よ、さらば

 もういらないわ 男なんか
 ヤりたい時は セルフサービスで
 イかした男たちも パンツ脱いだら幻滅
 演技力で乗り切って 言ってあげた
 『あんた最高ーー!!』
 この世から消えてしまえ 男なんか

 これからは男なしで生きるグループで
 お互いに恋愛の傷を嘗め合うの
 生まれ変わるのさ 二度と嘆かない
 あの獣たちに餌はやらない
 一人でも生きていけるさ

 もういらないわ 男なんか
 女とみれば 抱く事ばかり
 ベッドの中でガス噴射
 便座は上げたまんま
 もう我慢はしたくない
 愛なんか ハッ!『幻』
 この世から消えてしまえ 男なんか


(携帯を見てスキップしながらロビー登場)

ダナクロ「あぁぁぁーーーーー!!!!!!!」

ロビー「(ビクッ!)」

クローダ「あぁーら染みったれたオカマのロビーじゃないのぉ!ちょうど良かった、これサービスで洗っときなさい!」

ダナ「高級品だから縮まないようにねー(下着が入った袋を投げる)」

ロビー「(中身見て)もう縮んでるだろ。コインランドリーが欲しいなら自分たちでやれよ!(クローダに袋を投げ返す)」

クローダ「…なーんでパパはあのババアが死んだ時にあんたを追い出さなかったんだろう!こんな息子、パパにとってはアシカだよぅ!(袋を投げ返す)」

ロビー「足枷だろ!あいつは俺の親父じゃない!」

クローダ「どうでも良いわ!大事なのはあんたとあの洗濯女はもう長くないって事!」

ダナ「ようするに」

クローダ「おしまい」

ダナクロ「消えな!!」

(すごすご去っていくロビー)


♪ワクチンがあるのなら注射を射ちたい
 男はウイルスさ 撃退してやる

 もういらないわ 男なんか
 跪いて頼まれようと
 もう二度と  ?
 男をはね除ける

 食べかすも片付け
 パンツの洗濯も
 タバコの吸い殻も
 何もかも ハッ!『くそ食らえ!!』
 この世から消えてしまえ 男なんか

 排卵日チェックも 妊娠検査薬も
 最低な会話も 全部おさらばさ
 『女房にバレた 俺さ、禿げるかも…』
 『ママに会ってくれ じゃなきゃ別れるよ』
 『友達でいよう 結婚はできない』
 散々な感じで 涙もさよなら

 この世から消えてしまえ
 男はもういら…

ダナクロ「ヘヘッ!」

♪な~~~~いっ!



サーシャ「そこへ、ウィリアムとサーシャが選挙の活動にやって来た」



ウィリアム「緊張するな、ただの売り込みだ。さぁ、売り込んで来い」

ダナクロ&サーシャ「………」

サーシャ「……僕には無理です」

ウィリアム「…仕事なんだぞ、このスクラップ野郎!!いいか、よく見とけ…。こんばんは、お嬢さん方」

クローダ「お嬢さん!?あたしらの事!?」

ダナ「ふぅぅ~~~~!!!」

サーシャ「…どなたに投票されるかもうお決まりでしょうか!」

クローダ「投票って?」

ウィリアム「ロンドン市長選ですよ、我々はジェイムズ・プリンスを応援しています」

ダナ「あらやだ、可愛いっ!」

クローダ「あたしはもうちょいゴツいのが好き」


♪~(ウィリアムの携帯が鳴る)


ウィリアム「ちょっと失礼。スクラップ一人でやれ!」

サーシャ「えっ!?」

ダナ「あんた、ストリップクラブって行った事ある?」

サーシャ「いいえ」

クローダ「なら来なよ!良い機会だし!あ、でも椅子に座っちゃダメだよ?まだ濡れてる・か・ら♡」

(サーシャ、ダナクロに引き連れられ下着で遊ばれる)


ウィリアム「(携帯に出る)これはベリンガム卿、ご機嫌如何ですか?」

ベリンガム卿「さっきまでは良かったんだがね…君のお陰でめちゃくちゃだ!!」

ウィリアム「…何か問題でも?」

ベリンガム卿「君のそのテカテカ光ったスーツから招待状を出しなさい」

ウィリアム「招待状ですか?」

ベリンガム卿「何か見えてこないか?何か忘れてないかね?」

ウィリアム「日付・時間・会場…」

ベリンガム卿「発起人は?」

ウィリアム「…はっ!しまった!!」

ベリンガム卿「やってくれたねー。発起人がいないんじゃどこから金を出すんだ。え?作り直しなさい」

ウィリアム「ですが、新たに送るとなると、かえって目立ちますよ。我々のミスが」

ベリンガム卿「君のミスだろまったく!!君は、発起人は書いていないが会場は書いてあるから大丈夫だと踏んでいるんだね?」

ウィリアム「はい。…あ、いや!!その、…えー、だからその…あの……」

ベリンガム卿「君の推す候補者が、君よりも上手く選挙を切り盛りしてくれる事を祈ってるよ」

ウィリアム「申し訳ありません…」

ベリンガム卿「以上だ!」


ウィリアム「(電話を切る) …くそっ、くそくそくそーー!!スクラーーーップ!!!」

(サーシャ、体中に下着を身に付けている)

ウィリアム「よくもやってくれたな。招待状に玉金卿の名前が無いじゃないか!!」

クローダ「玉金!?パーティー!?」

ダナ「玉金!?玉金!?」

ウィリアム「行くぞ!!」

ダナ「ちょっと、私たちを誘わなくて良いの!?その玉金祭りにぃーーー!!!」


ダナクロ「……」


クローダ「…『ジェイムズ・プリンスがあなたのご出席をお待ちしてます』だって。…だったらこの人のお誘いお受けしようじゃないの!」

ダナ「でもフィアンセがいるんでしょ…?」

クローダ「だから?まだ結婚してないよ?」

ダナ「…!!確かに…チャンスはある!!」



M5a『I'm So Over Men - Reprise』


♪もういらないわ 男なんか
 でも市長なら 話は別だ
 最後のチャンスに賭けよう
 新しいドレスで 出掛けよう
 パーティーで踊るのさ ダンスを

 今度こそ愛を掴もう
 二度と男は…

 いらない いらない いらないけれど
 いらない いらない いらないけれど
 これは? これは? これは?
 人生最後の チャンス!



ーーーーーー



サーシャ「夜の23時。ジェイムズはまだ、自宅の書斎で仕事をしている」



マリリン「貴方を選べば幸せになれるわね」

ジェイムズ「…誰が?」

マリリン「もちろんロンドン市民よ。誰の事だと思ったのぉ??」

ジェイムズ「あ、いや、僕は没頭していて…」

マリリン「働きすぎよ。もう上に行きましょ」

ジェイムズ「マリリン!…君がいなければ、ここまで来れなかった」

マリリン「そうね?」

ジェイムズ「僕には、君が必要だ」

マリリン「分かってる!」

ジェイムズ「でも、ごめん」

マリリン「…何が?」

ジェイムズ「つまり、……今までと同じという訳にはいかない」

マリリン「いいえ同じよ。もっと大変になるでしょうけど!貴方が勝てば」

ジェイムズ「勝たなかったら?」

マリリン「別のかたちになるでしょうね。貴方は変わらないし、私は貴方を変えられない」

ジェイムズ「あぁ…」

マリリン「ふふっ、大学の頃みたいね!覚えてる?アムネスティー・インターナショナルの、関節炎のお年寄りにニットを配る運動について!」

ジェイムズ「あれは酷かったなー!」

マリリン「酷かったわー!」



M6『Remember Us』


マリリン「それでも私たちは上手くやった」

ジェイムズ「本当だな。遠い昔のようだけど」


♪いつでも信じて前を向いていた
 そうでしょ?

 よく覚えていない
 でも君は 若くて前向きで
 いつでも

 いつでも二人で


 貴方は目指してた ロビンフット
 正義を

 貫くのが夢

 世界の未来を語り明かし
 いつでも

 いつでも二人で


 不思議だけどいつも二人
 上手くやった

 まるで足に馴染んでいる
 靴のように

 まさにその感じ

 そろそろしわくちゃな感じ


マリリン「ちょっとー!」


♪貴方伸ばしてたね髪を

 後ろだけ

 メールはスーツタレント 言ってた

 間違ってた 君は携帯

 携帯電話

 馬鹿でかいやつを

 得意気に持って

 いつでも いつでも二人で


 言われたよね あの二人は続かないと

 だけど今も

 二人いつも

 支え合って
 二人で一つ 今でも理想の二人


 あれから


 笑顔も

 涙も

 二人で

 共に分かち合い

 いつでも


マリリン「さぁベッドへ」


♪いつでも


マリリン「久しぶりに」


♪二人で


ジェイムズ「メールをあと一通だけ!そしたら行くから!」

(ジェイムズの元へ行き、PCを閉じるマリリン)



ーーーーーー



サーシャ「二日後のコインランドリー。ロビーとヴェルクロがお喋りをしている。皆様には少々、お下劣に聞こえるかもしれないけど…」



(ロビクロがジェイムズの選挙のビラを見ている)

ヴェルクロ「うわー、残念!スーツ着てんじゃん。競泳用水着の方が票が集まるかと思ったのに」

ロビー「水着じゃ当選の薔薇の花はどこに付けるんだよ!」

ヴェルクロ「もちろん、あ・そ・こ♡」

ダナクロ「ふぅ~~~~!!!」

ロビクロ「……」

ロビー「…何の用だ」

クローダ「これから金を使いまくるの!」

ダナ「だから金出しな」

ロビー「…ほらよ」

(ダナクロ、金を奪い取る)

ダナ「いくらある?」

ロビー「500。いつも通りだ」

ダナ「完っ全に足りない!」

ロビー「それはお前らの頭だろ?」

ダナ「はぁ!?値上げするって言ったでしょ!?」

ロビー「…値上げ分は少し待ってくれ」

クローダ「じゃあ24時間以内ね」

ダナ「いいや12時間だ。さもないと、部屋の、鍵も、付け、替えるからぁ」

ダナクロ「キャハハハハ!!」


ロビー「…やったね、すっからかんだ!」

ヴェルクロ「どうするつもり?」

ロビー「あぁー、どうするかなぁーー……俺に何が出来る…?」

ヴェルクロ「体売れば!(笑)」

ロビー「笑えないよ」


♪~(ロビーの携帯の着信音)


ロビー「もしもしー?」

ジェイムズ「もしもし僕ー!どうしても声が聞きたくて、あんまり時間ないんだけどごめんね」

ロビー「謝らないで!次はいつ会える?俺は今夜、空いてるけど…」

(茶々入れるヴェルクロを追い払うロビー)

ロビー「明日の夜の方が良い?」

ジェイムズ「会いたいー!会いたいー、けど…今日はやらなきゃいけない仕事があるし、明日は資金集めのパーティーがあるんだ。でも時間を見つけて必ず!」

ロビー「無理しないで!でも出来るだけ早く♡」

ジェイムズ「うん!♡ あ、行かないと。じゃあ!ばいばーい」

ロビー「ばいばーい!」


ヴェルクロ「…甘ったるーーーい!!!!」

(ロビーに飛び付くヴェルクロ)

ヴェルクロ「こんなあんた見た事無いよ!エイリアンに拉致されて、ぬいぐるみのワンちゃんに変えられたみたい!彼の名前教えなさいよぉ!」

ロビー「言えない!厄介な相手なんだ!ただ俺が言えるのは…彼は俺を笑顔にしてくれる。心の底から!」


サイドサドル「じゃん!!」

(サイドサドルが現れ、ロビクロの間から花束を差し出す)

ロビー「サイドサドル!こんな事しなくて良いのに!半額で良いって言ったのは、君がもっと楽になるまでの事で…」

サイドサドル「これは私からじゃないんだ。そこで配達の人から受け取っただけ。あ、洗濯物出来てる?」

ロビー「出来てるよ」

サイドサドル「ロビー!それは誰から?」

ヴェルクロ「ロビーの新しいボーイフレンド!でも名前は聞いちゃダメ、厄介な相手なんだって!」

ロビー「誰だろ?誰がこんな…」

(花束の中にある封筒から札束を取り出す)

ヴェルクロ「ロビー!どうしてお金なんか入ってるの!?本当に体売ってるんじゃないよね…?」

ロビー「そんな訳ないだろ!」

ヴェルクロ「いくら入ってる?」

ロビー「(封筒の中身を確認)……!クロが数えてくれ!」



M6a『Old Compton Street - Reprise』


♪君との出逢いは まるで奇跡だ
 もっと深い仲になる時がきた
 出逢いの経緯は 誰にも言うな
 つまらない事だ 忘れてしまおう


ベリンガム卿「ロビー、君の気持ちを誤解していないと良いんだが。君と新しい扉を開けたいんだ。明日、私の家でパーティーを開くから、君も来て欲しい。遅くなるから一晩泊まっていくと良い。スローン・ストリートのプラダに君が行く事を伝えてある、似合う服を選びなさい。私の気持ちも同封しておくよ」


♪君にはそんな場所 似合わない
 出ておいで早く 私のお金で
 抜け出してこい Old Compton Street



ヴェルクロ「1000ポンドあるよ!本当にロビーの事が好きなんだね!」

ロビー「それが困るんだよ!…こっちにくれよ」

(ヴェルクロから札束を受け取り、ロビーに渡すサイドサドル)

ヴェルクロ「…何してんの?」

ロビー「贈り返す。花束も一緒に」

ヴェルクロ「ロビーどういう事!?さっきまで彼と電話で、リゾート地の太陽のように顔輝かせてたのに!もう気のないフリ?」

ロビー「これは彼からじゃないんだ!…サイドサドル、クロと二人っきりにして貰えないかな?ちょっとだけで良いから…」

サイドサドル「…一晩でも良いよ!もう帰るから。じゃあね」


ヴェルクロ「…で?」

ロビー「(花束を持って)…俺は、この人と付き合っている」

ヴェルクロ「うん、それは知ってるよ」

ロビー「うん、そうじゃなくて!(携帯を取り出し)…二人と付き合ってると言うか」

ヴェルクロ「え!?」

ロビー「…俺はこの人(花束)と3ヶ月間付き合った。そして、彼(携帯)と恋に落ちた。と、思う。…つまり複雑で!」

ヴェルクロ「複雑じゃないじゃん!たった今彼は1000ポンドと花束を贈ってきたでしょ?」

ロビー「だからそれは彼からじゃなくて別の人なんだ!」

ヴェルクロ「じゃあ誰?」

ロビー「金持ちの人で、実業家で、貴族の称号を持っている…」

ヴェルクロ「貴族…!!!」

ロビー「ウェブサイトで知り合ったんだ。金持ちのおじさんが、その…金のない若者と出会うサイト…」

ヴェルクロ「ロビー……」

ロビー「分かってるよ!?でも金が必要だっただろ!?この人は俺を気に入って、酒・ディナー・映画、一緒に行ったよ!でも今回は現金と花束だ。おまけに一晩一緒にいたいと言っている。これじゃ売春だよ…!」

ヴェルクロ「今更何言ってんの。で、それが彼氏にバレた訳?」

ロビー「そうじゃないけど…」

ヴェルクロ「だったら何が問題なの!?シュガーダディ様は捨てて、プリンス・チャーミングとくっつけば良いじゃん!」

ロビー「そんな簡単じゃないんだよ!…つまり、プリンセス・チャーミングがいるんだ」

ヴェルクロ「奥さん!?」

ロビー「フィアンセだよ」

ヴェルクロ「はぁぁ!!!何て事!!!」

ロビー「君も知ってる人だよ?つまり、彼の事だけど…」

ヴェルクロ「あたしの知ってる人?その彼を?」

ロビー「ちょっとした有名人だから」

ヴェルクロ「待って!秘密がありそうな有名人、秘密がありそうな有名人、秘密がありそうな有名人、秘密がありそうな有名…あぁーーいっぱいいすぎて分かんない!!ロビー、名前教えて……?」

ロビー「ハァー……(椅子に置いてあるジェイムズのビラを手に取り見せる)」

ヴェルクロ「…ちょっと。真面目に」

ロビー「真面目だよ」

ヴェルクロ「…ジェイムズ・プリンス?市長選の?ゲイなの!!?見えない!!!」

ロビー「でもゲイなんだ。公にしていないけど」

ヴェルクロ「ロビー、ダメ。この恋は危ない。危険がいっぱい!」

ロビー「分かってるよ!」

(男性客が来店)

ヴェルクロ「あ、5番が空いてます。右側」

男性「…(ペコッ) ……(ロビーをじっと見る)」

ロビー「…?」

男性「(ニヤッ)」

ロビー「…つ!?(ゾッ)」

ヴェルクロ「ヤバいよ!スキャンダルになるよ!政治家・不倫・怒り狂ったフィアンセ、おまけにあんたは貴族のジジイと付き合ってる。ロビー、悪い事は言わないから…」

ロビー「分かってるんだよ!でも…!!」

ヴェルクロ「シーッ!!」

(男性が“LOVE”と書かれたピンク色のTシャツを見せつけてくる)

ロビー「明日何が起きるか分からないからって、人生最高の出逢いを捨てたりなんか出来ないよ。分かるだろ?」

ヴェルクロ「分かるけど…」

(男性がマッスルポーズ柄の青いTシャツをアピール)

ヴェルクロ「でも何で彼はカミングアウトしないの?だーーれも気にしないのに!」

ロビー「するよ、フィアンセが」

ヴェルクロ「あぁ…。…信じられない、私のゲイを見分ける能力も鈍ってきたなー。ゲイ・ストレート・バイ・トランスジェンダー・フィア・アセクシャルパンセクシャル!頭が変になる!!!」



M7『It's Hard To Tell』


ヴェルクロ「例えば、彼(男性)」

ロビー「…この人?」

ヴェルクロ「そう、この人」


♪どう見ても この彼はオカマ
 でも確信は持てない

(ズボンを脱いでTバッグ(尻)を見せつける男性。そしてロビーに触らせるよう引っ張る。嫌がるロビー)

♪彼がカミングアウトして
 シャウトしてまわらなきゃ
 本当の顔は分かりゃしない

 分からない 誰がゲイなのか
 それともストレートなのか
 ここいらの場は昔はゲイばかり
 今じゃいるのさ あらゆる変態が

 分からない ホモかバイかヘテロ
 男に見えて女かも
  ? のように美しくてもまだ
 息子が付いてるかも

 GUCCIの服で全身決めて
 ナンパに見えても
 本当は自分が男たちに
 ナンパされたがってるかも

 分からない 見た目じゃダイヤモンドか
 それとも石ころなのか
 活かすカサノヴァ それは付け焼刃
 実は男になる途中かも

 分からない 誰がゲイなのか
 それともストレートなのか
 男だけど女装が好きとか
 深すぎる世界

 コスプレ好き マッチョが大好き
 趣味はいろいろ
 ムチに打たれ喜ぶ人
 昼間はマフィアのボス
 きりがない

 分からない 分からない
 秘密抱いて誰もが生きて
 愛を隠して シワを伸ばしてた

 分からない 誰がゲイなのか
 それともストレートなのか
 確かめよう 街に繰り出して
 その日のその心
 その日のその心


ジェイムズ「どんだけ~~~!!!そろりそろり…」



ーーーーーー



サーシャ「ロビーとヴェルクロは、疲れ果ててベンチでぐったり。二人は夜通し、ソーホーの人々の性的傾向について調べていたんだ」



ヴェルクロ「ねぇロビー、頭痛くない…?私バドワイザーのトラックに跳ねられたみたいな感じ。あぁー、ウォッカが余分だった…」

ロビー「俺は一睡も出来なかった…信じられない、俺がこんな失態をするなんて…」


♪~(ロビーの携帯のメール受信音)


ヴェルクロ「どっち!?ゲイの貴族?どっち付かずの市長?」

(ジェイムズ、下手袖より登場し挙手)

ヴェルクロ「あー、市長さんかぁ。ねぇ、ちょっと見せてよー」

ロビー「ダーメっ!」

ヴェルクロ「見せてよ!!!あたしも知ってる人なんだから!!」

ロビー「あ、ちょっ……」

(携帯をヴェルクロに取られ、寄り掛かられるロビー)

ヴェルクロ「どれ?『君の事を想ってる。会いたい、待ちきれないよ!“パクッ”』」

ジェイムズ「(バナナを口で剥き“パクッ”で食べる)」

ロビー「“パクッ”じゃなくて“ハグ”!!」

ジェイムズ「!!?(口の中バナナでいっぱい)」


ロビー「あぁー!!クロ、彼を思うと胃が痛い…もうベリンガム卿とは続けられないし、金返さなきゃな…」

ヴェルクロ「待ってロビー!1000ポンドは役に立つよ!?でしょ?こうするの。あのあばずれ姉妹のところに行って家賃を払って、つべこべ言わせないようにする。そしたらあたしたちはスローン・ストリートのプラダに行って、あんたに最高級のタキシードを買って、あたしにもちょっとしたものを買う!」

ロビー「クロにも!?」

ヴェルクロ「何か?頷いて?」

ロビー「(コクン)」

ヴェルクロ「よし!そしたらあんたはその気取ったパーティーに行って、何とか卿に優しく、けれど節度を持って接する。それが済んだら二度と彼には会わない」

ロビー「でも彼は泊まっていけと言っている」

ヴェルクロ「あんたはそのつもりで振る舞ってれば良いの!あたしが12時に電話するから!」

ロビー「え?」

ヴェルクロ「12時に電話して、『緊急事態が起きたー!』とか何とか言うから。『地球が爆発したー!』とか何とか」

ロビー「いや地球は…」

ヴェルクロ「とにかく!あんたは途中で逃げてくれば良いの!そうすればゲイの貴族の約束は破らないし、バイのプリンスにも忠実なままでいられるでしょ?」

ロビー「んーーそんなに上手くいくかな…」

サイドサドル「はーーーい元気ーーー!!!力車に御用はーーー!!!」

(サイドサドル、自転車に乗って登場)

ヴェルクロ「あるー!スローン・ストリートのプラダまで!」

ロビー「あ、クロ!」

サイドサドル「結構遠いから、値が張るよ?」

ヴェルクロ「プラダの後は、彼をヘアカットまで連れてって、そのまま夜中まで貸し切ったらいくら?」

サイドサドル「100ポンド!」

ヴェルクロ「よし!ロビー、50払って!」

サイドサドル「50!?」

ヴェルクロ「料金は半額だよ、忘れた?」

ロビー「…俺に借りがあるだろ?」

サイドサドル「…50で良いよ。スローン・ストリートってセレブ向けだけど?」

ヴェルクロ「この人今夜着飾ってパーティーに行くの。そうよね、ロビー?」

ロビー「…いぇーい、ノリノリだぜー(棒読み)」

サイドサドル「全然ノッてなくない?ハハハ!」

ヴェルクロ「これからノリノリになるのよねー!」

ロビー「あーそうだねー!!」

ヴェルクロ「じゃあそういう顔しなさいよー!!(ロビーのほっぺをつねる)」



M8『You Shall Go To The Ball』


♪あんたは今夜シンデレラ
 舞踏会へ
 胸張っていくのシンデレラ
 送り届けるよ

 かぼちゃの馬車は出せないけれど
 料金半額じゃ まぁこんなとこさ


ロビー「クーロっ!」


♪連れていくよシンデレラ
 舞踏会へ
 楽しんできなよ 今夜は
 送り出すよ 優雅な夜へと


ロビー「あ、ちょっと!」


ダナ「どう!(ポーズを取る)」

クローダ「体に接着剤を塗って、アクセサリーの上を転げ回ったみたい」

ダナクロ「はーーーっ!!!」


シャンパン 樽ごと飲もう
 飲もう
 ワインとあとはビールも
 いいね
 捕まえるの王子様を 今夜はこの手で

 行こう我らシンデレラ
 魅惑の夜
 探しに行こう 輝く一番星を
 口紅は派手に マスカラはCHANEL
 つまんない女でも
 化けりゃ良いのさ 美女に

 年の差があろうとも
 奇妙に見えようと
 ゲイのジジイの
 狂い咲きで悪いか

 今夜はおいでシンデレラ
 舞踏会へ
 溢れる愛の炎で 抱いてあげるよ

 どうしてこんな事してる?
 吐き気がする
 お休みするベッドは一つにして
 ダメだ こんな事全然
 上手いやり方じゃないよ

 今夜の二人 ゴールデンカップ
 笑顔で
 勝負を分ける夜だ
 いかが? いかが…

サーシャ「ああぁーーー!!(ウィリアムに落とされる)」

♪愛想よく 全員と笑顔で話せ

 どうしてこんな事してる?
 震えてくる
 こんなチャンス滅多にないよ
 凄いパーティー
 躊躇ってないで行きな
 特製の馬車が待つ

 今夜は行こうシンデレラ
 舞踏会へ
 危ないヒロインはいつか
 輝く場所へ
 上流階級の人 まさに良い女だね
      ?  
 さぁ見せよう その姿

 今夜は行こうシンデレラ
 舞踏会へ
 注目浴びてシンデレラ
 確かめる時だ

ベリンガム卿「ロビー!」

♪そのガラスの靴

ジェイムズ「ロビー?」

♪君に合うのか……


ロビー「これ、ヤバくね…?」


♪をーーー!!

好きな人が新しい道を歩き出して44日経った、一ヲタクの気持ちの話


ー2018年5月14日ー



ヲタク事から言って特に何もない一日。

むしろ月曜だよまた一週間仕事始まっちゃうよ帰りたいよ嫌だよ。
前回の記事と対にしてみた感あるけど、びっくりするぐらい何もなかった。


強いて言うなら少年収の日とかしょっぴーのすの日常更新日とかかな?しょっぴーの自撮り盛れすぎてて思わずときめいちまったよ…



すのばっかやないか!!!!!!

…褒めてます。すのちゃんの頑張り報われて嬉しいな。




それはさておき、前回の更新と対照的になる程仕事しかしてない一日だった。
あ、でも今日会社で、お土産で頂いたお騒がせ信玄餅食べたよ!それは美味しかった!



現実逃避をしたいのに…
滝沢歌舞伎2018の東京公演も終わってしまったし…




そう、ちょうど昨日歌舞伎の東京公演が終わりました。

出演者の皆さまお疲れ様でした!
来月から御園座公演が始まり、また1ヶ月の長丁場となるので、ゆっくり体を休めて備えて下さい!


Snow Manは映画と同時平行してて相当大変ですがね……すのちゃんの体力お化けさに感服致します👻
(またもすのちゃんの話)





4月5日に幕を開けた滝沢歌舞伎。


歌舞伎期間のこの1ヶ月強を振り返ってみると、本当にいろんな事があった。

いろんな事があったと言っても私の感情の問題で。客観的に見て例えば、すの担は好きな人のお仕事が途切れずに、むしろ日に日に忙しくなっていて嬉しい悲鳴をあげてると思う。これもいろんな事があるって表現は正解。

人によって1ヶ月強の感じ方はそれぞれで、あくまで自分の、林くんが好きな私の捉え方の話。


細かく言うと、出来事は歌舞伎で起きたんじゃなくて、歌舞伎期間中に出来事がいっぱいあった、という言い方の方が正しい。





「いろんな事」なんて言葉では一括りに出来ないね。







だから具体的に振り返ってみる。







※振り返りと言う名の感想備忘録です。
















林くんが宇宙Sixの脱退を表明してから、今日で44日経った。全然キリも良くないし何なら不吉な数字のダブルパンチだし。
「884(はやし)」の「4」とでも思おうかな。ボジティブシンキング大事。


この44日間、自分の感情の激しい起伏に驚くばかりで、人はこんなにも気持ちがUp&Down 右左に動くのかと再認識した。
(背中越しのチャンスってやつですよ)






3月31日にあの出来事があって、そこから数日は本当にただただ病んでた。


どうして。何故このタイミングで。
よりによってスクアッドがまだ続いてるこの段階で。

契約云々が原因なのは分かってるけど。


しかも脱退を表明してからたったの2日間で、ロジャース/ハートが発表された。

初めての「主演」という言葉に嬉しさを見せたけど、どこか恨めしい気持ちも否めなくて。
お前さんお芝居やりたいとか言っときながら歌うし踊るんやないかい!!!


でも私の身勝手な気持ちとして、踊りと歌を捨てられたら本当に行き場を失ってしまいそうだっから、ミュージカルなのはとっても嬉しかった。


歌×ダンス×芝居=パーフェクト3大林翔太


これ絶対テストに出るので覚えといて下さい。





ただ、林くんが好きな私は嬉しさを見せても、周りの反応を見ると更に病みそうだった。
一握りにお祝いだけはさせて貰えない。



4月1日の時はね、皆口を揃えて「ばかっ!」って愛情を持って怒ってくれてた。
でも主演舞台が発表されたら、その怒りの感情は軽蔑のような眼差しに変わってる気がした。

「がっかりした」とか「顔も見たくない」とかそういう言葉は嫌でも目に入ってきて、愛想つかして林くんの話をする人すら圧倒的に減った。


「周りに何を言われても」

こういう事だよなぁ、林くんが言いたかったの。
ちゃんと未来予想図は出来てたんだよね。


もちろん仕事の休憩中も、スクアッドの公演やツイの周りの様子を思い出したりして一人泣いたし。

泣いて泣いてとにかくどこでもいっぱい泣いた。


メンバーも周りも前を向いているのに、私だけ取り残された感じがして。振り返ってばっかり。
冗談抜きに、これから先に光が見えなかった。





そんな私に感情の起伏を与えてくれたのは宇宙Sixなんだな。


4月5日~4月25日、5日毎に5人が各々の言葉で気持ちを教えてくれた。





【4月5日、めぐたん更新日】

トップバッターから最年少かい。いなくなってしまった林くんの後任で5日の担当になって。どんだけ酷な事させるんだよ。
しかもこの日から滝沢歌舞伎、スクアッド大阪公演が始まったので情報が書ききれないんじゃなかろうか。

どんな内容書いてくるか分からなかったから、あの日お腹痛かったなぁ。仕事に集中出来なかった。


12時更新されなかったので、ひっそりこっそり抜け出して15時過ぎにブログを読みに行きました。


めぐたんは素直な良い子だから、ちゃんと素直に書いてくれた。

「そんな気持ちで俺ら誘ったのかよ!」「(林くんが売れるまで)抜けたこと許さない」って怒った気持ちも書いてくれたし、

でもやっぱり優しい子だから、絶対読んでるであろう、林くんが好きな人の心情も考えてくれてて、「誰も悪くないんだ」って言葉を掛けてくれた。

結果論を考えたら林くんが悪いに決まってるのにね。


めぐたんの優しさに救われて、涙が止まらなかったな。仕事戻っても涙目になってる変質者だったのよ私。
周りの先輩に「どうしたの?花粉?」って聞かれたから「酷い花粉にやられました」って答えといた。


落ちに落ちまくっていたメンタルが、少し上へ向き始めた日だった。




【4月10日、幸大くん更新日】

この日、自分的歌舞伎初日で。しかも昼夜。更にスクアッド終わりのめぐたんも初日。この日もお腹痛かった。※毎日痛い訳ではないんです。


昼公演泣いたなぁ。
予想ついてたけど、林くんとめぐたんほとんどシンメなんだもん。

春の踊りでさ、櫓の前でグータッチのように右腕同士を合わせるの。
後半日の方はあんまり見れなかったけど、最初の方はね、二人とも微笑み合ってたの。
盲目フィルター掛かってる可能性大だけど、多分笑ってた。

鼠の捕り物の水掛けでも絡んでるし、キャスト紹介も二人で並んでるんだなこれがまた。
あ、Shadow Danceはさすがにちょっとしんどかった。今は大丈夫だけど。


とにかくふっ切れてやってんだなぁって少し安心した初回公演だったな。




ってか林くんの顔見たらなんか安心した自分がいたんだよね。

3月31日からこの日を迎えるまで、自分の中で今回の諸悪の根源は、完全に林くんと決めつけてて、宇宙さん5人の肩を持つようにしてた。
もちろんその気持ちも本当だけど、林くんの味方してたら「裏切り者」みたいな扱いされそうだったんだよね(小声)

私林くん好きなのかなぁ…って不安になりながら公演観たら、びっくりするぐらい全然好きだった。
あの出来事何だったの?ってぐらいいつも通りにステージの上に立っていて。若干「このやろう…!」と思ったけど、顔見たら安心して、好きだなぁ…ってまた泣いちゃったや。

当たり前だよなぁ、まだ学生だった頃から(私が)好きになって、自分のジャニヲタ人生変えた人の事、簡単に嫌いになれるはずない。バカだなぁ自分。


私も、周りに何を言われても、気持ちが切れない限り好きでいたいって再認識出来た大事な公演でした。
ほくほくの「気持ち切らすなって!!!」待ちです。




さて、終わって夜公演始まるまでに一息つけたから、更新されてた幸大くんの6Chu読んだ。






さっきの高めた気持ちがまた少し落ちちゃったよあらら。



ヲタクが皆疑問に思ってた事、


「グループにいながら出来なかったのか」


この一件の真相、幸大くんが分かりやすく、分かりすぎるぐらい分かりやすく語ってくれてた。素直がすぎるぞ、幸大くん!
やっぱりメンバーもそう思ってたのか。そりゃそうだ、皆思う事は一緒だ。ヲタク皆担タレだ担タレ。


ここまで皆が説得してくれたなら、もうこれ以上踏み込める余地は無さそうだなって。

林くんの真意は分からない。本人から本音を語ってくれない限り真相は謎に包まれたまま。
でも何かの雑誌とかで特集を組まれない限り、その真実を公の場で語れる術はない。
だって今は月1のブログも無いんだもん。


東銀座の美味しいワッフルを食べ終えた私は少しシュンとしました。ワッフルだけに。アンスタだけにシュンちゃん。
誰か虚しい私に座布団下さい。


でも夜公演は夜公演で、少し冷静に観られましたよ。やっぱり好きだった。




【4月15日、やまりょちゃん更新日】

泣いた。いや叫んだ。お顔と性格の通り、やまりょちゃんが甘甘甘甘ちゃんすぎて悶えた。そんで私の気持ちはギュイーーン!!と昇った。
「ギュイーーン!!」って言うと、KinKiの股ゴム事件思い出すね。


やまりょちゃんの気持ちは、前の二人とはまた違った本音が見えた。
そりゃそうだよね、17年間ずっと一緒にいるって、私には想像がつかない世界で。


やまりょちゃんもとっても優しいから、「もうこれぐらいで終わり!!」っていろんな人に言い聞かせてる気がした。あまり長い文章ではないのに、その中にぎゅっと、気持ちが詰め込まれていて。

こちらの意見としては、そろそろ責められ続けるの本気でしんどくてメンタルブレイクしそうだったから、ねじ伏せてくれようとしたりょーちゃんに感謝してる。


「寂しいに決まってる!!分かるでしょ!?」

これで黙らせるりょーちゃん、天才。
よーく分かったよ。この言葉だけで寂しかった事伝わるの、これぞThey武道だなって。


翔ちゃんとまた連絡取り合えたの分かって、嬉しかったなぁ。
めぐたんが林くんに伝えてくれたんだろうか(笑)
え、めぐたんキューピッドじゃん!天使?知ってる元から天使だった。


「直接聞いてこい」って言える立場じゃねーだろ!!!!
りょーちゃんの優しさに感謝しやがれ!!!!


でもそうやって言う林くんも林くんらしくて、
りょーちゃんもりょーちゃんで、翔ちゃんが元気かを確認したい仲は壊れてないんだな、って。それが分かって安心した。


声を大にして言うけどしょたりょたが大好きです!!!!!


載せてくれた写真がさーーー。覚えてるよ、W誌の可愛い可愛いお花屋さんの3人。りょーちゃんは裏切らない人だなー。
宇宙の写真あげる事も出来るのに、わざわざぜいの写真なんだよ。そうなんだよ、心のどこかで待ってたんだよ、3人の写真。

しかもね、来月も載せてくれるって。
気を使わせて申し訳ないけど、正直言うと嬉しい。すがってるところある。おひねりあげちゃうよ?

5月の更新も明日だ。楽しみに待ってるよ!





【4月20日、原ちゃん更新日】

いやぁーー心にウッときたなーー!!読み終えた後のズーーーン……とした感じ。
0の付く日は気落ちしてる気がする(笑)

原ちゃんも正直ボーイだから、本音をバンバンぶつけてくれて。ボディーブロー100発入れられた気分。
普段優しい原ちゃんを怒らして「ふざけんな」と言わせる林くんよ…お前さんって人は!!!

ただ、私が原ちゃんの立場になって考えた場合、間違いなく原ちゃんと同じ事を思う。合ってるよ原ちゃん!!私だって殴り倒すよ!!



そして、自分のファンの事を大事に扱ってくれてるんだなってのが伝わった。

めぐたんも林くんに怒ってくれたけど、同時に優しさもくれたじゃん。

自分が5人担だった場合を考えたら、林くんは敵だとみなすし、自担が彼の肩を持つような事を言ってたら「味方にならないで!」とか思っちゃいそう。(全私が)

だから、原ちゃんみたいに言ってくれる人も必要なんだよね。
去年のクリエで「ネット社会怖いんで」とか言ってた原ちゃんが、憎まれ口叩かれるかもしれない事をハッキリ言ってくれて。

林担に気を使うのも優しさだけど、まずは自分のファンを安心させたいよね。
4月の更新の中で、唯一原ちゃんだけ、林くんの事をバッサリ切り捨てるように怒ってて、甘えになるような事は言わなかった。5人担的には、そういう人も必要だったと思うんだ。
そういうところ、ファン想いだなぁって思った。


それでも「6人で売れるんだ」って、目標持ってやってくれてた原ちゃんの優しさが身に染みてなぁ…切なかった。

しかも唯一「翔太くん」って読んでくれるのが原ちゃん。個人的に下の名前にくん付けが好きな質だから、その人材を失った悲しさよ……
林くん勿体ないよーー!


原ちゃんの更新を読んで分かった事は、林くんにキレてる事と、メンタルマクベスしている事だった。メタマク楽しみだよ。




【4月25日、江田くん更新日】

私に兆しを与えてくれた大事な大事な日。

前回の更新でも言ったけど、私江田くんのブログに信頼を置いてるのね。その自信に間違いは無かった。


もちろん江田くんも、今回の事についてポツリポツリと話してくれた。
読んだ時に、あぁ、江田くんらしいなって。決して声を荒らげずに、淡々と、気持ちを伝えてくれて。
やまりょちゃんと同じような気持ちだったと捉えてる。


「寂しい」


その言葉が沢山出てきた。それを読んでようやく自分でも気付いた。


「寂しい」
誰かがそう言ってくれるのを待ってたんだなって。




「許さない」とか「ふざけんな」ももちろん本音をぶつけるのには正しい言葉で、それは誰しも心の中に思ってる。だからはらめぐのように言ってくれる人も必要な訳で。

ヲタクのモヤモヤを話してくれた幸大くんも有り難かった。



でも何よりも「寂しい」って言ってくれる人が、今の私にとっては必要不可欠だったんだなって。



だって皆から責め立てられて終わってたら、林くんが宇宙Sixにいた意味って何だったんだろうって。

もちろん林くん悪いよ。ふざけんなって思うよ。(30秒前の私は一体)
今でも、宇宙Sixにいて6人でやって欲しかったって気持ちは無くしてないし、消える事は無い。心の奥に封印してるだけ。


でもりょーちゃんと江田くんは、「寂しい」って言ってくれた。「怒り」よりも「寂しい」が勝ってるんだ。
それが本音の大前提にきているのなら、私は嬉しい。



正直に言うとね、江田くんの更新日を迎えるの、ちょっとだけ恐かった。


りょーちゃんは絶っっっっ対に甘やかしてくれると思ってたけど、江田くんはどっちに転ぶんだろうって。
優しい人なのは知ってるけど、いざこういう時だからこそ、厳しい言葉を投げ掛けるんじゃないか。

いっつも林くんのわがままに付き合ってくれてた江田くんに、愛想つかされてたら…
堪らなく不安だった。


でも答えは、前者だった。やっぱり優しい江田くんだった。
それが分かった途端、涙が溢れちゃった。
小さい頃から17年間、長い長い付き合いって、寂しさが一番に来るんだ。そういうものなんだね。


しかも江田くん、泣いてくれてたんだよ。
その時の状況を想像したら、心臓をわし掴みされて苦しくなった。

良かったね林くん、りょーちゃんも江田くんも「寂しい」って言って泣いてくれてるよ。本当に大バカだし幸せ者だね。



4月のブログ更新。リニューアルされて3度目にして、こんな悲しい内容ばかりをメンバーに書かせてしまって、本当に申し訳ない。

3月31日から時が止まってしまってた私に、宇宙Sixが各々本音を吐き出して、自分のファンに、人によっては林くんのファンに元気を与えてくれた。

優しさと厳しさを上手く兼ね備えて。5日毎に気分が上がって、下がって、を繰り返して(笑)
メンバーにもヲタクにも試練が与えられた1ヶ月だったと思う。


そして締めの江田くんの更新で、江田くんは背中を押し出してくれた気がした。比喩だけど比喩じゃなくて、物理的だけど物理的じゃなくて。難しいな。

お陰で、心の中のモヤモヤや不安や悲しみ、怒りなどのぐちゃぐちゃした感情が、スッと解放された、そんな気分。


私もうじうじしてないで、前を向いて進んでいこうって希望を持てた。

本当にありがとう。皆には感謝してもしきれないよ。




































って、言ってもね。
まだ咀嚼しきれてないところはあるんだ。



私4月の間に、林くんと宇宙Sixのメンバー、全員見れてるんだ。
歌舞伎とKAT-TUNのドーム。


KAT-TUNドーム、めちゃめちゃ楽しかった。

そもそも小さい頃からKAT-TUNを見て育ってきたから、兄さんたちは元から好きだったんだけども。
去年宇宙さんが亀ソロに付いて以降、よりKAT-TUN贔屓になってまして。昨年大変お世話になったし、復活コンは絶対お祝いしに行こうと思ってたんだよね。

そして蓋を開けたら宇宙さんいるじゃん。嬉しいが何乗にも重なってすんげーーーー楽しめた。最高だったなー。


めぐたん以外の宇宙4がバックに付いて。

皆凄くイキイキしてて心の底から楽しそうだった。
ガッツリ踊る曲が沢山あるから、4人の特性活かせられてるなって。



りょーちゃん、笑顔だった。

私の中のりょーちゃんって、3月31日のスクアッドで時が止まってたのね。挨拶で顔真っ赤にして泣いてたりょーちゃん。

りょーちゃんの泣き顔なんて見たくなかった。嬉し涙しか見たくなかった。
りょーちゃんにはひまわりみたいに、満開の笑顔で笑っていて欲しいから、KAT-TUNでは楽しそうで本当に良かった。



めぐたん揃わずの4人だけだったから、まだ少し冷静に観られた。
だからちょっとだけ錯覚に陥った。

「今二人は別仕事で揃わないんだな」って。
一人多いね。



でも、最後のメンバー紹介で、ちゃんと現実みせられたんだよなぁ。


原ちゃんの紹介時、亀ちゃんが毎回「目黒ー!あ、原ー!」ってわざとめぐたんの名前出すの。
「5人で宇宙Sixです!」ってアピールしてくれる。
本当に優しい先輩だよね。


それを聞いて、「もう戻って来れる場所なんて無いんだね」ってどん底突き落とされたの。


私は林くんのダンスが好きだから、ここで踊ってたら最高にかっこいいんだろなぁ、って思いを馳せながら観てた。

でも林くんはここにいない。別の人を観なきゃ。


どうしてもThey武道時代からのよしみだから、江田りょを多く観ちゃうんだけどさ。

私、二人のダンスの癖とか全然知らなかったんだなって思い知らされた。やっぱり人によって個性出るんだね。

どれだけ林くんしか見てこなかったんだろう。
そこで気付いちゃった。


叶わぬ願いは拭い去らないといけない、これからはこれが当たり前だから。って自分に言い聞かせて、ちゃんと目に焼き付けた。




それと、4月27日のMステ。
KAT-TUN×宇宙Sixのコラボ、もてなしが厚くて非常に感動した。

めぐたんが歌舞伎終わりに駆け付けて、ようやく5人で。ちゃんと宣材写真も5人分映してくれたね。
あれd誌のやつだよね、林くんくっっっそ盛れてなかったやつ。

あれ林くんもいたんだけどなーー。
ってか歌舞伎終わり、本当は林くんも駆け付けられるんだけどなーー。


その時点で、林くんはもう違う道を歩いてるって如実に表れてるね。


5人担もさ、徐々に5人の宇宙を応援し始めて、林くんの話は全然出てこなくなっちゃったんだ。
歌舞伎の感想見ててそれが伝わった。
めぐたんの感想は言ってくれるけど、林くんについては触れない。

1:5だから1の割合が少ないのは当たり前なんだけど。
完全に亡き者として扱われてるの、結構悲しくて。
当たり前じゃん、好きな人は褒めて貰えた方が嬉しいし。批判されてるのを好むような、物好きではない。


未だにいろいろ言う人はいるから、そういうのは目に見えないようにシャットダウンした。
私は私のスタンスで、好きに林くんを応援したいから、立ちはだかる壁は払拭するようにした。
だいぶ気が楽になったよ。




歌舞伎の林くん観てるとさ、これも錯覚に陥るんだよ。

だって去年や一昨年と何も変わらないんだもん。


林くんは歌舞伎へ出張に出てて、また戻ってきそうな感じがしちゃうの。
数ヵ月前の有頂天も同じような状況なのにさ。

ただ一つ違うのは、
グループを抜けたか抜けてないか。


もう違うんだよ、分かってる。そう言い聞かせてるつもりだったけど。
まだ覚悟しきれてないんじゃん、自分。


めぐたんが一緒に出てるのが大きいのかな。

端から見たら、「宇宙Sixの二人」って見えるもん。
めぐたんも吹っ切ってやってくれてるし、選抜された二人みたい。そう見える。


でも、二人が見据えてる景色は違うんだよな。

歌舞伎が終わったら、めぐたんは宇宙の皆と合流して、林くんは一人で、それぞれ別の道を進んでく。

そこだけ違う。




昨日で終わった、滝沢歌舞伎の東京公演。
千秋楽の様子はレポしか見てないから、人によって書き方が違うのはあると思うけど。

とあるレポを見てから、今の私の胸中はざわざわしてる。



林くんのカテコの挨拶。


「自分にとって10周年の節目の年なので、御園座で集大成を見せたい」


ニュアンスはだいたいそんな感じ。


【集大成】
《名・ス他》多くのものを広く集めて、一つのものにまとめ上げること、まとめ上げたもの。


上記は集大成の意味。(ググったもののコピペです)

今までやってきた事のまとめ。
自分の感じ方だけど、「集大成」ってその物事の最後にまとめて魅せるイメージ。

だから、林くんはこの10周年の節目の年で、「最後に」自分の力を魅せ付ける。


つまり、歌舞伎に出るのは最後。
そんな風に聞こえた。



それがすっごく寂しかった。


林くんを好きになる前から大好きだった滝沢歌舞伎。
林くんを好きになってからは、より一層愛するようになった。

役者になる道を決めた林くん、その根底を覆すような事を言って申し訳ないけど、

林くんにはこれから先も歌舞伎に出て欲しい。

そう心の中で思ってた。


でもお芝居をやるなら、歌舞伎では求めてる事が違う。それは分かってる。分かってるけど…


年に1回ぐらいは出ても…芝居も歌も踊りも、マルチにこなせる人材がいても良いのでは…
11年目も12年目も目指そうよ。


そんな事を思ってしまう、最低な自分。
林くんはお芝居をやりたいのに。


でもちょっとだけ言い訳をするのであれば、あの3月31日のお知らせの更新で、
「歌もダンスも好きですが」って言ってた。から、じゃあどっちもまたやれば良いじゃんって思っちゃう。
ってか現に今の歌舞伎で、歌うし踊るし。

なんなら、ケンタッキーが逆ラバをリリースして歌番組出る時、バックに付けば良いじゃん。なんて思っちゃう。

そんな事したら、また5人担からバッシングを浴びるし、林くんは望んでないと思うのに。
ただの私のエゴイズム。


ジャニーズの舞台で、歌ったり踊ったりする林くんを諦めきれない自分が嫌になる。
往生際が悪いヲタクでごめんね、林くん。まだ1ヶ月ちょっとしか経ってないから、けじめが付けきれないんだ。













そんな気持ちもまだあったりするから、完全に吹っ切れてはいない。
でも、沢山時間をかけてでも、徐々に慣らして、林くんと宇宙Sixを応援したい気持ちは本当。


だけど、まだ5人の単独の様子見れてないからなーーー!
それを見てようやくちゃんと、痛感するのかなー。

それを見て気持ちが揺らいだら嫌だなー。
宇宙Sixの事は好きでいたいよー。



宇宙Sixには林くんが後悔するぐらい売れて欲しいし、
林くんも抜けた決断が間違って無かったぐらい、お芝居成功して欲しい。


進む道は違えど、お互い疎遠にならず、いつかまた、同じステージで共演できる日が来ると良いな。

林くんは有名になって、めぐたんを呼べるぐらい大きくならないと駄目だよ。



林くんが抜けて44日経った今現在。
やっぱりちゃんとした答えは出てこなくて。むしろ更に悩み始めた。路頭に迷いそう。

でも確実に、1日1日、6人の向かう道は1:5で分かれ始めてる。
林くんの俳優本格的スタートも、カウントダウンが始まってるかも。


まだまだ先は長いから、私も時間をかけて、苦楽を共にして、泣いて笑って、気持ちの整理を付けたい。
刻み続けた記憶たちが、未来へ導いてくれると信じてるから。



それまで私は、5人の、林くんの事を包み込むように、時の架け橋になって。






今日もただ見守る。






ーーーーーー

【補足】
・1…更新したのが5月20日なだけであって、5月14日の時点で自分が感じてる事を、たらたら長く、時間かけて書いてるだけです。まとめるのが苦手です。

・2…5月15日のやまりょちゃんの更新読んだよ!思いっきしプレゾンやってた頃のカウコンの写真が載っていて度肝抜かれちゃったよ!!
林くんアゴ伸びすぎてんな!!それでこそ林くんだね!!
りょーちゃん、素敵な写真ありがとう!!



ー終わりー

笑った その場所を いつまでも忘れずに


ー2018年3月31日12時、自分の中でガラガラと何かが音をたてて崩れ落ちたー






自担の身に何か起こるとよくはてなブログを書かれる方を目にします。
「凄いなぁ、文才あるなぁ」と第三者の観点で傍観してました。が、まさか自分にも降りかかるとは思わず。

「Jr.はいつ何があるか分からない」
最近デビュー組ですら何が起こるか分からないから、Jr.は常に危険と隣り合わせ。

分かってはいた。そう言い聞かせてたつもりだったけど、ちゃんとした覚悟は出来てなかったんだろうなと痛感。


人の真似をして生きている性格なもんで、はてブロの勝手が分からないまま今の正直な心情を書きました。文才愚か語彙力は乏しいです。そんでめっちゃ長いです。
暗くてマイナスな内容を綴ってるので不快になる方もいらっしゃるかと思いますから、こいつ面倒くせぇなと思ったら即戻って下さい。責任は取れませんし養えません。













3月中旬の某日、とある噂が耳に入ってきた。(一応内容は伏せときます)






あまり良くない内容だと思いつつ、一瞬、自分の好きな人の顔が頭を過った。



でもきっと違うだろうと、その考えを一瞬で拭い去ってその話はそっと蓋に閉じた。


今思えば事の発端の該当者だったんですがね。
桃山の藤次郎も言ってたよね、「火の無いところに煙は立たん!」って。




3月10日、12時に幸大くんの6Chuが更新された。
FC限定写真が爆イケで被弾して即スクショしたっていうのが一番記憶に残ってる。幸大くんは顔が良いのです(周知の事実)


数時間経った後に、そういえば有頂天一座観に行った感想書いてなかったなぁとふと思いつつ。(※宇宙さん5人で見学したのは2月11日の昼公演)

でもまだ連載2回目だし幸大くんの性格上事細かに書く方でも無いだろう。そのままやり過ごした。





でもやはり良くない噂は否が応でも目に入ってしまって、だんだん不安に煽られる。
そうなると何にでも敏感に反応してしまうのが悲しい性で。

この前の幸大くんの連載も気にしてしまうし、それ以前の林くんや林くんの周りの人々の言動が、行動が。嫌な結末に繋がってしまう気がして。




そんな気落ちしたまま3月15日12時。やまりょちゃんの更新日。


一通り読んで私は確信した。







りょーちゃんがSOSのサインを出している。







明らかに元気がなく、物凄く意味深な言葉を残している。「他の現場」というめちゃめちゃ気になる単語も最初は目に入らなかった程、最後の語り掛けにしか目がいかなかった。
(拝啓 山本亮太様、「他の現場」の正解を教えて下さい。 敬具)



やまりょちゃんはいつだって素直で、それはブログにも感情がそのまま籠っていて、元気な時も落ち込んでる時も目に見てとれる。
今回は後者だった。そして林くんの名前は1回も出てこず。


このタイミングのこの内容は正直心にうっときた。職場のトイレで泣きました。


この頃から、意識的に林くんの名前を出して呟く事からフェードアウトしていきました。




3月20日15時。原ちゃんの更新日。

腹抱えて笑いました。原ちゃんの文章はフランクで妙に惹き付けられて、何より面白い。FC限定写真の変顔もさすがで。最高だよ!
5日前と比べてやけに楽しい気分になれた。


でもやっぱり林くんの名前は出てこなかった。







例の噂を聞いてから、特に何事もない日常。


やはり嘘なんじゃなかろうか。



そんなポジティブな思考を持つようにもなり、ちょっとずつ気が楽になった。というか、楽にした。
そうしないと気が滅入りそうでやってられなかった。





3月25日。この日私はSnow Manの横アリ単独に足を運びました。


それと同時に江田くんの更新日。
基本的に江田くんの連載には信頼を置いてる節がありまして。

3月になってから林くんの話題を出してるメンバーがいない中、江田くんなら「翔太も歌舞伎の稽古頑張ってるから」とか一言声かけてくれるんじゃないかな、とか期待していた。



ちょうど新横浜に着いた時に更新されてたので目を通したら、林くんの事は書かれておらず。


更に、FC限定写真も公開されていて、そこには林くん以外の宇宙Six5人がお揃いのパーカーを着て並んでる写真が載せられていた。




道中で凹んだ。
仕方ない、稽古中に撮ってるんだもの。いないのは当たり前。でも今のメンタルでその姿を見るのは結構しんどかった。
だがしかし、やまりょちゃん黒髪だし江田くんが黒縁眼鏡してた姿を見て高まったのは事実です。




モヤモヤ案件もあった中、いざ公演が始まる。






ヤバい!!!!すのめっちゃ楽しい!!!!!




ここ最近で久々のコンサートというのもあるけど、セトリ・構成・演出が最&高だしエモい内容が盛り沢山で、今思い返しても楽しい記憶しかない。


そんなコンサートのMCにて見学組が紹介される。
実際私の席からは機材が被ってほぼ見えず、唯一見えたのがジェシー。それだけ。
順にモニターに映る中、いきなりとある人の姿が現れて私は目を疑った。




林くんだ。




んっ!!!??噂の張本人来てる!!!??




1ミリも予想してない訳では無かった。
すのがコンサートをするなら歌舞伎の稽古もたいして出来ないだろうから、林くん観に来たりして。
なんて軽い気持ちで考えてたら本当に来た。予想を裏切らない男だよ本当に。



林くんはすのにこんなメッセージを送っていた。


「Snow Manが出てきたの見て泣いちゃったよ俺!皆さん、Snow Manの事盛り上げて下さーい!」


多くのすの担が感動して「ありがとう林くん」って呟いてたのを見たのを覚えてる。


林くんが観に来ている事実に動揺していた私だけど、林くんがどう思いながらコンサートを見学しているのかなっていうのが第一に気になって。


本人いる前でこんな事思いたく無かったけど、もし本当に抜けるのならば、グループの結束力が高まってるSnow Manを見て「グループって良いなぁ」って気持ちにならなかったのかなぁって。


そんな事を思いながらすっぴんで荒れている林くんの顔を眺めていました。コンディションはあまり良くありません。



その翌日の3月26日もTravis JapanSixTONESの単独を観に行って、そこでもグループとしての単独公演の良さを実感できた。3グループとも違った良さがあって非常に刺激を受けました。

グループって良いなぁ、宇宙Sixにもこんなコンサートをやって欲しいなぁって想いが募るばかり。




いよいよ3月28日、スクアッド初日。


モヤモヤした気持ちを持ちつつも、5人の頑張りは応援したかったしレポを楽しみに待ってた。


21時頃に終わり、いっぱいレポが流れてくる。


絶賛の嵐。皆楽しい、かっこいいって言ってる。



そんな中目に飛び込んできたのが、宇宙Sixのオリジナル曲。5人にソロパートがあって、録音された林くんの声もない。



大抵の人が初のオリジナル曲に喜びを見せていたけど、私は素直に喜べなかった。初披露したのが5人で既に完成されていて、この結束力に林くんが入れる余地が無い気がした。



29日、30日とスクアッドは順調に進んでいて、もちろん楽しいレポもまわってくる。

にんじん???大根???妖怪vs人間の話じゃないの???野菜売りの話???江田くんは首弱いよね知ってる。林くんの声可愛いの?楽しみになった。





そして3月31日。いよいよ自分が観に行ける日。



実を言うとほんの数日前に、林担のお友達に声を掛けて貰って行ける事になってました。本当は当日券並ぶつもりだったけど、お友達には感謝しかありません。ありがとう。

お友達を待つべく、新国立劇場の1階正面にある椅子に座って待ってました。お日様が出ていて暖かくて気持ちいい。

若干暑くなりつつも日を浴びていると、




12時6分。




友達からLINEが来た。








「今泣いてるよ~(;;)」








胸がざわっとした。「どうしたの!?」と返しときながら、一目散に向かったのはジャニーズweb。嫌な予感がしながら「宇宙に6Chu~」のページへ向かい、本日の当番でもない林くんのページを押した。









そこには残酷な報告が載っていた。









スクロールを重ねる毎に涙が溢れていく。目の前が滲んで画面が上手く見えない。全部読みきった後には、自分の中に絶望感しか残ってなかった。



数分後にお友達と合流出来た。お友達を見つけた瞬間、すぐさま両手を広げて胸に飛び込みに行った。お友達も既にいっぱい泣いた跡が残っていて。顔を見合わせてまた2人で泣いた。

これから観劇だというのにどうしてくれるんだっていう気持ちでいっぱいだった。


劇場の中に入ってグッズを見る。赤色のTシャツを見るのすらしんどくなる。とりあえず林くんが写っているものは一頻り買った。きっとこれが最後だろうから。




いざ本番が始まる。前説の段階から感情が込み上げそうだったけど、いざ宇宙Sixが出てきて、「あぁ、もうここに林くんは入れないんだ…」なんて思いが頭を過る。

OPでA3みたいなイラストが流れる中出演者が登場してきて、宇宙Six5人でキレのある踊りを魅せていて、その瞬間涙が止まらなかった。ハンカチ必須とはこの事だろうな。


そのまま物語は進んでいき、お芝居が始まると少し冷静になれる。皆演技上手になったなぁ。
特に原ちゃんの演技に引き込まれて、メタルマクベスの活躍も間違いないだろうと確信を持てたぐらい。

中盤にあるウルフ(原ちゃん)の台詞で「木の葉を隠すなら林の中」ってあって、゙林゙という単語に過剰に反応してしまったのは内緒です。



3回のみの林くんの声出演。意外と取り乱す事なく聞いていられた。可愛い声…アンスタのシュンちゃんみたいだね。まさか林くんがあんなモノマネすると思ってなかったよ。また一つ知らない林くんを知れた。



あっという間にED。またしてもA3(仮)が流れる。皆綺麗に描いてもらってるなぁなんて感心しつつ、やはり涙が流れてしまう。



ショータイムが始まると、客席がペンライトを持ち出して辺りが一気に明るくなる。



一応持ってきてはいたけど、何色を付けたら良いか分からなかった。林くんは声で出演してるけど、もう宇宙Sixでなくなるしこの場にいない。かといって他のメンバーの色を付けるのも不自然。泣きながらお友達と「どうしよう」なんて言いながら、しばらくは点灯出来なかった。



でもこれが最後だろうから、無言で赤を付けた。振る勇気は無かったけど。
お友達も私を見兼ねて、泣きながら赤色を付けたのが視野に入った。



オリジナル曲を目の当たりにして、さっきよりもより一層泣けてきて、でも5人が眩しかった。紙吹雪が舞う中踊る姿がまさにアイドルでかっこよかった。素敵な曲貰えたね。



そのままカテコの挨拶になり、幸大くんが選ばれる。



「本日はありがとうございました。ご存知の方もいるかと思いますが、今日から宇宙Sixは5人になりました。5人で前を向いて頑張っていきますので、これからも宇宙Sixと林翔太の応援をよろしくお願いします!」




もう視界がぼやけて見えなかった。恥ずかしげもなく公衆の面前でいっぱい泣いた。後ろの席で良かった。
幸大くんにこんな事を言わせるなんて何してるんだ。


幸大くんの挨拶中、右後ろにいたりょーちゃんは顔を真っ赤にして泣いていた。ショータイムから襟足をちょこんと結んでいて可愛かったりょーちゃん。メンバーで唯一1人、私みたいに涙をいっぱい流してた。
私の涙腺は留まることを知らない。


さっきも言ったけど、りょーちゃんは人一倍素直で元気で、そして情に熱い。泣き虫だから悲しかったら素直に泣く。

分かっていたけど、りょーちゃんにとって林くんが大切な存在だったんだって痛い程伝わってきた。そんなに泣かないでよ、りょーちゃんが辛そうでこっちまで余計にいっぱい泣けてきちゃうよ。


一番年下のめぐたんは、客席に向かってにこって微笑みかけてて。「泣かないで、笑って」って。その姿が何とも愛らしくて切なくて、なんて力強くて頼もしい最年少なんだろう。


江田くんだって原ちゃんだって凛として頼もしかった。男性に言う台詞じゃないけど綺麗だった。


5人で力強く礼をした姿を見て、「ごめんね、ごめんね。初の外部舞台でこんな悲しい思いをさせてごめんね」って心の中で何度も謝った。

30-DELUXさん側にも申し訳なかった。こちらの事情のせいでお通夜モードになってるのに、明るく楽しませようとしてくれていて、素敵な方たちと共演出来て幸せだなぁと。


終演後もお友達と泣きながら今後について話したりして。まだまだ気持ちの整理つかないまますぐ歌舞伎を控えてるのが凄く辛いねって。
めぐたんと林くんがどんな気持ちで共演するのか考えただけで悲壮漂うよね。


昼公演初見後、内容が楽しかったら当日券並びたいな、なんて思ってたけど、もうそんな気力残ってなかった。5人の頑張りはもっと観たかったけど、これ以上出演者の前で泣きたくなくて、今は一刻も早く帰る事が大事だった。


別のお友達とも偶然出会って、放心状態の私が階段から転げ落ちた時用に、SHOCKの階段落ちのレクチャーを受けたのは良い思い出です。


感情がぐちゃぐちゃになりながら、友達の前でいっぱい泣いた、そんな濃い1日が幕を閉じました。
お風呂の中でもいっぱい泣いて、湯船がしょっぱくなりそう。

余談ですが、ふらふらになりつつも階段からは転げ落ちる事なく帰れました。










今この文章とも呼べない呟きを書いているのは、一夜明けた4月1日。
一日経っても悲しみが込み上げてきて、昨日あれだけ泣いたのにまだまだ泣けるんですよ。人間の体って不思議だね。



しかも12時過ぎたら「宇宙に6Chu~」から林くんのページ消えちゃったよ。

2014年12月25日にTheyタクロースさんが「Theyたくなひととき」って連載をプレゼントしてくれて、3年以上毎月5日は楽しみに林くんの連載を待っていたのに。一瞬にして消えちゃった。事務所の仕事が早すぎてやるせないね。

5日はめぐたんが担うんだね。また一つ負担を掛けてごめんね。





あの噂が出て、いろんな人が林くんなんじゃないかってざわざわし始めた時、「林くんじゃない!」って断言出来なかった自分に悔しさを覚える。


だって林くんなら可能性は無くないって思えてしまったからだ。





ここ最近の林くんは何だか浮いてるように見えた。





私が林くんを好きになったきっかけは、プレゾン'13。演舞城'13で若干気になりつつはあったけど、ステージで踊る林くんがキラキラしていて、一瞬で目を奪われた。

そこから一気に熱量が増加して、手持ちの無かったANOTHERも誘って貰って行ったし、日生プレゾンも楽しかったし、初単独クリエも最高の思い出で、他にもいっぱい楽しかった現場はあった。


ステージに立つ林くんはとっても輝いてた。



初めて林くんを気にかけた頃、They武道のイメージは、やまりょちゃんセンター固定でその左右に江田くんと林くん。
SHOCKはやまりょちゃんだけ出るし、ANOTHERとか歌舞伎は江田林だし。そのイメージが強かった。


SHOCKで出張に出たやまりょちゃんが、エネルギーを蓄えてThey武道に戻ってきて、3人でパワーアップしてる姿が好きだった。

だから、歌舞伎'15で3年ぶりにやまりょちゃんが「成長した自分を見せたい」って言って戻ってきた時、すっごいすっごい嬉しかった。
そのままSHOCKに出続ける事も出来たかもしれないのに、グループとしての活動を主軸にしてくれたんだって。



2014終わり~2015年ぐらいかなぁ?途中から林くんセンターになる機会も多くなって。単純に嬉しかった。いつも横にいた林くんがセンターに立ってるのが嬉しくて。



ぜいクリエでは林くんが大きな目標を掲げてくれていた。


「ここは通過点です。全国ツアーとかやりたいよね」
「国際フォーラムとかさ、大きい会場でやりたいよね!?皆で武道館行こうぜー!」


長い時間掛かりそうだななんて思いつつ、それでもそんな夢を持ってくれている林くんが堪らなく好きだった。とってもキラキラしてた。



でもなんか途中から、様子が変わった気がした。



違和感を覚えたのは、滝沢歌舞伎'16。林くん1人で決まった歌舞伎の出演。江田りょがいない。
林くんは1人語りのシーンを与えられたりして活躍してた。
江田りょが見学に来てくれなかったの悲しかったなぁ。


鼠のドラマ出演も決まっていたし、この頃から林くんの個人活動が増えてきた。



久々にThey武道3人が揃ったぜいクリエも、何となく何となーく、「林くんと江田りょ」みたいな線引きが見えた気がして。林くんセンターも多くなったしね。


結局They武道が揃った姿を見たのはこの時が最後だった。



その後も林くんはアンダースタディが決まるし、江田りょはえび座が決まるし。ってかヒロキ出られてたなら林くん出れたじゃん!!今でも根に持ってるよ!!


そんな別々な活動が続いて、2016年11月11日。
They武道の結成8周年。と共に宇宙Sixが出来た。


呆然として、時間が経ってから泣いた。
そして正直、しばらくは受け入れられなかった。


幸大くんも原ちゃんもめぐたんも個々で好きだし頑張ってるんだけど、今までThey武道としてやってきた時間が止まってしまった。

そして何より、林くんの顔が浮かなそうに見えた。そりゃ見てるこっちも楽しくはない。


その後の歌舞伎'17は結局林くん1人だし(代打でめぐたんは出たけど)、結成した意味無いんじゃないかと思ったりして。


嵐は行かなかったから、初めてちゃんと宇宙Sixを見たのがクリエ。
林くんはあまり喋らない記憶が強かった。他の皆はイキイキしてて、若干のズレが生じてるなっていうのが第一印象。
でも6人の姿をちゃんと見れたから応援していこうって決められた。




私的にもメンバー的にも革命を起こしたのが、亀梨くんのソロツアー。


本当に大好きだった。嵐以外のバックに付くのが新鮮だったし、何より林くんが宇宙Sixとして踊ってる。まず亀梨くんの人柄が良すぎて、ソロツアーも亀梨くんも丸ごと大好きになった。
メンバーも亀ソロがターニングポイントになったって言ってて、チームワークが生まれたって感謝してた。私も感謝してる、本当にありがとうございました。

(亀ちゃんにグループやってく上での報連相の大切さとか学んでたと思うんだけどな~)



その数日後に湾岸LIVE。クリエぶりの単独公演、嬉しかったぁ。クリエよりも皆打ち解けてる気がして空気感が良かった。


でもここでも一個、違和感はあった。
林くんはソロ曲で「seasons」を歌った。バックを付けずソロで。
5人はクリエでやった事のある曲を選んでいたけど、林くんは「1人で」出演した歌舞伎の曲を歌っていた。
懐かしかったし歌が上手くて聞き入っていたけど、何だかそこだけ腑に落ちなかった。

最後アンコールの挨拶も、皆とは違ってふざけず真面目に「今日はありがとー!」って言ってた。交わらない感じがちょっと寂しかった。



そしてスクアッドの発表。


何だよ声だけって。せっかくの初外部舞台なのに。

単純に歌舞伎が被ってるから、そっち優先して出ないんだろうってたかを括ってた。そこもモヤモヤしたけど。
「滝沢歌舞伎魂、魅せます!」とか言ってるし。

メンバーが「声だけでもちゃんとした出演」って言ってくれたのが嬉しかったな。

そこも5:1の線引きが見えた気がしたけど、それでも林くんが楽しそうに見えたから湾岸楽しかったんだよ~!


最後に宇宙Six6人の姿を見た嵐のバック。初めての嵐コンだったけど、「宇宙Sixー!」って紹介して貰えてる姿が嬉しかった。



有頂天一座は、今思えば複雑だけど、林くんがイキイキしていて楽しそうだったし、林くんが嬉しそうだからこっちも嬉しかった。

最初の着物着てる康弘さんと最後にスーツ着て踊るフィナーレの林くん好きだったなぁ。



皮肉とかじゃなくて、一人でもやっていける自信あるんだろうなぁって不思議と伝わってきた。

2月5日のブログの更新も、何だか様子がおかしかったのは、今思えばここに繋がるんだね。




そんなタラタラと長い振り返りしたけど、ここ2年ちょっとで林くんと5人の向かう先が違うように感じた。



もともと自分の性格上、ユニットに入ってわちゃわちゃしてる人が好きだから、林くんがソロで活動をするとなって、どういうスタンスでやっていくかが分からない。


今このご時世、ユニットに所属している人たちが第一線で活躍する中で、林くんはソロの活動を希望した。
確かに宇宙SixやMADEは横並び出来ずに不満を感じたりはするけど、それでもグループに入りたいって人が沢山いる中で、その決断を下した。

数年前の幸大くんが、ソロでやってくの大変そうだったのを目の当たりにしながらも。




林くんは「お芝居」をやりたいって言った。

林くんはお芝居している時、凄いイキイキしてるように見える。本人が楽しんでるのも目に見えて分かっていたし、私も演じている林くんは好きだった。



でも私が一番見ていたかったのは、アイドルとして「歌って」、「踊る」林くん。


そして宇宙Sixとして「グループ」で頑張る林くん。



林くんがお芝居に真剣に向き合ってる姿を応援していたけど、それは宇宙Sixに還元出来るように頑張っているからだと思っていて、最終的に「ただいま」って宇宙Sixというホームに戻ってくるからだと信じていたから。
きっと5人も復活LOVEの幸大くんみたいに「おかえり」って言うつもりだったと思う。


でも林くんの考えは違ったみたいだ。


もちろんお芝居してる林くんが一番好きって人がいるかもしれないからファン皆が同じ気持ちとは思わないけど、少なくとも私はそうだった。周りの友人も同じ気持ちの人が多かったから余計に。

需要と供給ってなかなか合わないね。



もう二度とThey武道が揃わないんだと思うと悲しくて仕方がない。他の3人ももちろん大事なんだけど、やっぱりThey武道あってのグループだったから、やまりょちゃんと江田くんはかけがえのない大切な存在で。もう二人と手を繋ぐ事は無いんだなって。

いつでも引っ張って導いてくれた手を離すなんて勿体ないよ。林くんのアホ。


ずっと一緒にやってきたりょーちゃんと江田くんを置いてくのもやるせなくて憤りを感じるし、幸大くんだって一緒にやりたいって気持ちでグループに入った。

そして何より、まだ若くて違う未来があったかもしれないはらめぐに申し訳ない気持ちでいっぱいで。
あんなに尊いはらめぐが路頭に迷う結果になってはならない。

某アイランドで言われていた「宇宙に未来はない」なんて言わせてはいけない。




散々文句を垂らしつつも、何だかんだ林くんを好きな自分は相当甘いんだろうなぁ。


今はまだ急な事すぎて今後どうしたら良いか結果が出ないけど、林くんにだって一度きりの人生で、迷って迷って決めた答えだと思うから、その答えが間違いで無いのならば林くんを応援したい。

まだ今の自分には正しいとは思えていないけど。
納得出来るぐらいの誠意を見せて欲しい。








めぐたん、クリエ'16の頃「林くん好きっす」って言ってくれてありがとう。歌舞伎のLOVEでは毎回ハイタッチもしてくれてありがとう。



原ちゃん、メンバーで唯一「翔太くん」って呼んでくれてありがとう。林くんのいじりに対しても対応してくれてありがとう。



幸大くん、リーダーとしてグループを引っ張ってくれていてありがとう。スクアッドで最後に林くんの事について触れてくれてありがとう。



江田くん、いつも林くんに優しく接してくれてありがとう。江田くんに気を許して絡みにいく林くんが可愛くて大好きだった、ありがとう。



やまりょちゃん、林くんの為に泣いてくれてありがとう。ラーメンの玉子半分こしたり目隠ししながら手を触っただけで林くんを当てられる、シンメで強い絆が垣間見えて嬉しかった。可愛い姿を見せてくれてありがとう。






春は悲しいお別れがあって苦手です。


まださよならなんて言えません。短い期間だけど、林くんが宇宙Sixにいた事は事実だし、その痕跡を消して欲しくはない。
こっちから出ていくのに、わがままなタレントだしわがままなヲタクだね、まったく。



今はただ信じて付いていく事しか出来ないから。



林くんが、宇宙Sixがそれぞれ活躍できる未来が待ってますように。いや、待ってるんじゃなくて掴みにいって下さい。





オリジナル曲のように輝けますように。





皆に「素晴らしき世界」が待っていますように。








ー君が望んでる明日へー











*【追記】2018年4月2日19時頃*


これを投稿した1日足らずで、林くんの主演舞台が決まりました。

しかもミュージカル。きっと歌うし踊る。
言霊と言うのか何と言うか………




え、昨日の自分めっちゃ恥ずかしいんですけどww

「歌って」「踊る」林くんが1番好きとか言っときながら歌うし踊るじゃんwww

最初からミュージカルだなんて思わないじゃんww



しかも情報解禁めっちゃ早いし。
まだ2日しか経ってないんですけど。

すぐに誠意の第一歩を突き付けられた。


ちょっとは時間空けて欲しかった。余韻に浸る時間すら無かった。
昨日どこにも出掛けず1日悩んでた時間を返してくれ。
猿のお尻以上に顔真っ赤ですわ。

ちょっと言い訳するなら、「ジャニーズの曲」を歌って踊る林くんが一番観たいんですがね(小声)




とりあえず初主演おめでとう!

グループに入ってても出来たんじゃないのって言い聞かせたくなっちゃうけど!駄々っ子だから駄々こねてそう思いたくなっちゃうけど!


でも嬉しい事に変わりはないから!




これから今まで味方だった人も敵に変わるし、助けてくれる大人は少数だし仲間は自分で斬り離した。

それでも自分で選んだ道だから泣き言は言いっこ無しだよ!


周りに何を言われても頑張るんだ!





頑張る君をサポートさせて下さい。









今度こそ終わり。